前半部分は
iOS 11 VoiceOver ジェスチャー解説 前半(まえがきからチャプター22まで): Voice Of i -- 見えなくても使えるiPhone(資料集)
http://voicei-gestures.seesaa.net/article/453666625.html?1538815443
を閲覧してください。
執筆者:
品川 博之
Email:
voice-of-i@outlook.jp
Twitter:
@voice_of_i https://twitter.com/voice_of_i
製作完了日
2018年10月1日
項目の先頭にはそれぞれ以下の記号を付記しています。
文字検索などを利用しながら閲覧ください。
■■ 大見出し
■ 小見出し
● ジェスチャー
目次の始まりには「はじまり」を、目次の終わりには「おわり」と記しています。
目次を読むのが面倒な人は、「目次 おわり」にジャンプして読み進めてください。
---------- 目次 はじまり ----------
- ■■チャプター23 カメラを使ってみよう
- ■23-1 写真を撮影する操作
- ■23-2 手ブレを防ぐ方法
- ■23-3 オートフォーカスと顔認識機能
- ■23-4 カメラアプリをすぐに起動するには
- ■23-5 スクリーンショットを撮影する
- ■23-6 写真アプリの顔認識機能
- ■■チャプター24 ホームボタン、スリープボタン、サイドボタンの働き
- ■24-1 ホームボタン
- ■24-1-1 シングルクリック
- ■24-1-2 ダブルクリック
- ■24-1-3 トリプルクリックでアクセシビリティ機能の呼び出し
- ■24-1-4 ダブルタップで画面の上半分を引き下げて表示する「簡易アクセス」
- ■24-1-5 タッチして指紋認証の利用「Touch ID」
- ■24-1-6 長押し
- ■24-1-7 ロック画面でのダブルクリック
- ■24-2 スリープボタン
- ■24-2-1 長押し
- ■24-2-2 シングルクリック
- ■24-2-3 5回クリック
- ■24-2-4 ホームボタンとスリープボタンの同時押し
- ■24-2-5 スリープボタンとホームボタンの同時長押し
- ■24-2-6 スリープボタンと音量ダウンボタンの同時長押し
- ■24-3 サイドボタン
- ■24-3-1 長押し
- ■24-3-2 サイドボタンと音量ボタンの同時長押し
- ■24-3-3 シングルクリック
- ■24-3-4 トリプルクリック
- ■24-3-5 ダブルクリックして顔認証の利用「Face ID」
- ■24-3-6 長押し
- ■24-3-7 5回クリック
- ■24-3-8 サイドボタンと音量ボタンの同時押し
- ■24-3-9 音量アップ、音量ダウン、サイドボタンの長押し
- ■■チャプター25 AssistiveTouchを利用してホームボタンを利用する
- ■25-1 カスタムアクション
- ■25-2 AssistiveTouchアイコンの場所を移動する
- ■25-3 VoiceOver環境で使用している場合の注意点
- ■■チャプター26 3D Touch
- ■■チャプター27 iPhone本体の強制再起動について
- ■■チャプター28 VoiceOverで動画コンテンツのクローズドキャプションを読み上げさせる「メディア説明サービス」
- ■28-1 VoiceOverにクローズドキャプションの文字情報を読み上げさせる手順
- ■■チャプター29 点字画面入力
- ■29-1 点字画面入力をするための準備と注意点
- ■29-2 ホールドモードとテーブルモード、iPhoneの持ち方について
- ■29-3 点字画面入力モードで利用できるジェスチャー
- ■■チャプター30 手書き入力について
- ■30-1 手書き入力をするための準備と注意点
- ■30-2 手書き入力モードで利用できるジェスチャー
- ■■チャプター31 画面のズーム、白黒反転
- ■31-1 VoiceOverとズームを併用する時の注意点
- ■31-2 標準ジェスチャーによる拡大操作
- ■31-3 白黒反転
- ■31-4 拡大鏡
- ■■チャプター32 iPad特有の操作法
- ■32-1 iPad特有のジェスチャー
- ■32-2 iPadでの「Dock」の利用、「スライドオーバー」と「スプリットビュー」
- ■32-2-1 iPadでのDockの働き
- ■32-2-2 スライドオーバー
- ■32-2-2-1 Dockにあるアプリをスライドオーバーで呼び出す
- ■32-2-2-2 Dockを開かずにアプリをスライドオーバー表示させる
- ■32-2-2-3 サイドアップを閉じる
- ■32-2-3 スプリットビュー、二つのアプリを表示する
- ■32-2-3-1 Dockから二つ目のアプリを開く
- ■32-2-3-2 一つのアプリの画面サイズを小さくする
- ■32-2-3-3 スプリットビューを終了する、一つのアプリだけを表示する
- ■32-2-3-4 スプリットビューの画面でスライドオーバーを利用する
- ■32-2-4 Bluetoothキーボードを利用する
- ■32-3 iPadの日本語かなキーボードを携帯電話のようなテンキースタイルに変更する
- ■32-3-1 ジェスチャーを利用する
- ■32-3-2 「キーボードを隠す」ボタンを長押しして上方向にドラッグ
- ■■付録1 よもやま話
- ■付録1-1 iPhoneとは
- ■付録1-2 iPodとiPhoneの関係
- ■付録1-3 VoiceOver機能の特徴
- ■付録1-4 VoiceOverの声の特徴
- ■付録1-5 iPhone, iPod touch, iPadの違い
- ■付録1-6 どんなアプリが利用できるか
- ■付録1-7 今後への期待と可能性
- ■付録1-8 VoiceOver操作によるiPhoneの使い方はどこで学ぶことができるか
- ■■付録2 VoiceOver操作について参考になるサイト
- ■■あとがき
- ---------- 目次 おわり -----------
__________目次の先頭へもどる__________
■■チャプター23 カメラを使ってみよう
iPhoneやiPadではカメラによる写真とビデオの撮影ができます。
本体の背面と前面にレンズが配置されており、背面カメラはiSightカメラと呼ばれ、前面カメラはFaceTimeカメラと呼ばれています。
背面のカメラは画素数が高いのできれいな写真を記録できます。
前面のカメラでは自分撮り(セルフィー)やビデオ通話などに活用できます。
ホーム画面からカメラを起動してみましょう。
最初にカメラアプリを起動すると、位置情報を許可するかどうかの問い合わせが表示されます。どちらかを選ぶと先に進めます。
写真とビデオを切り替えることができます。
画面の下端から2センチほど上の箇所に「カメラモード」と読み上げられる箇所があります。この箇所で1本指の上下スワイプをすることにより、カメラのモードを切り替えることができます。
__________目次の先頭へもどる__________
■23-1 写真を撮影する操作
いくつかの方法が用意されています。
- 1. 撮影ボタンのダブルタップ
画面の下端に「写真を撮影」ボタン、もしくは「ビデオ撮影」ボタンが表示されているので、これを1本指でダブルタップします。
ビデオ録画のモードでは録画が始まり、もう一度同じボタンをダブルタップすることで録画が停止します。
また、写真モードでは、「写真を撮影」ボタンを1本指でダブルタップ&ホールドすると、その間は連射状態になります。 - 2. 2本指のダブルタップ
画面のどこで実行してもかまいません。写真モードの時はシャッターが切られます。
ビデオ録画のモードでは録画が始まり、もう一度2本指でダブルタップすることで録画が停止します。
ビデオ録画の開始時には「ピン」という合図が1回鳴ります。録画の終了時にはその合図が2回鳴ります。 - 3. 音量ボタンのクリック
音量ボタンをクリックすることでも撮影ができます。
プラスでもマイナスでもどちらのボタンでもかまいません。
ビデオ録画のモードでは録画が始まり、もう一度音量ボタンをクリックすることで録画が停止します。
また、写真モードでは、音量ボタンを押し続けていると、その間は連射状態になります。
__________目次の先頭へもどる__________
■23-2 手ブレを防ぐ方法
タップ操作をすると本体が揺れてしまい、きれいな写真が取れない場合があります。
付属のイヤホンマイクをつなぐと、音量ボタンが撮影ボタンの役割をしてくれるので、iPhone本体から手を離したまま写真撮影ができます。
__________目次の先頭へもどる__________
■23-3 オートフォーカスと顔認識機能
撮影したい被写体にカメラをしばらく向けておくとオートフォーカス機能が働き、自動的にピントが調整されます。
また、被写体に人物の顔が含まれている場合は、その人数や画面の中での顔の位置を読み上げてくれます。
背面カメラと前面カメラの切り替えやフラッシュのオン、オフ、自動の設定もカメラのアプリの画面上で実行できます。
LEDフラッシュ機能が搭載されているのはiPhone 4以降のiPhoneと、2012年10月に発売された第五世代のiPod touch以降です。
iPadでLEDフラッシュが搭載されたのは、2025年3月に発売されたiPad Pro 9.7インチモデルからです。
__________目次の先頭へもどる__________
■23-4 カメラアプリをすぐに起動するには
カメラのアプリはホーム画面から開く以外に、スリープモードの画面からもすぐに起動できます。
ロック解除ボタンを表示させた状態で3本指の左スワイプを行います。
するとカメラアプリが起動します。
また、Siriを起動して「カメラ」と声で支持してもカメラアプリが起動します。
コントロールセンターの中からもカメラを開くことができます。
__________目次の先頭へもどる__________
■23-5 スクリーンショットを撮影する
表示している画面を写真として記録することができます。
VoiceOver環境ではスクリーンカーテンをオフにする必要があります。
ホームボタンのあるiPhoneの場合、
●「スリープボタンとホームボタンの同時押し」
スリープボタンとホームボタンを同時に短く押します。
先に一方のボタンを押してからすぐにもう一方のボタンを押してもかまいません。二つのボタンを長く押し続けるとiPhone本体の再起動操作に変わるので気をつけてください。
シャッター音が聞こえるので撮影されたことが確認できます。
ホームボタンのないiPhoneの場合、
●「サイドボタンと音量ボタンの同時押し」
サイドボタンと音量アップボタンを同時に1回クリックします。
ボタンを長く押し続けると、電源オフの画面が表示されるので気をつけてください。
記録された画像はカメラロールに追加されます。
__________目次の先頭へもどる__________
■23-6 写真アプリの顔認識機能
iOSデバイスで写真撮影をする時、ファインダーの中に人物の顔が入っているかどうか、その数と位置や大きさをVoiceOverは案内してくれます。
写真アプリでは、撮影された写真の中に人物の顔が含まれている場合、顔認識機能を利用することで、画面内での顔の位置、さらには口や鼻の位置を確認することができます。
iOS標準のマップアプリでは、画面に付けたままの指を滑らせることで、建物や道路の位置関係を確認することができますが、それと同じような操作性となっています。
写真アプリで顔認識機能を利用する手順は、
- 1. 写真アプリを開いて、一覧表示されている中から目的の写真を1本指でダブルタップして表示します。
- 2. 1本指の下スワイプか上スワイプで、メニューの中から「顔認識機能を表示」の箇所に合わせて実行します。
メニューが読み上げられない場合は、ローター・カテゴリーを「アクション」に合わせる必要があります。 - 3. 人物の顔が含まれていれば、「顔」という読み上げを確認できます。
顔が含まれていなければ「イメージ」と読み上げられます。
「顔」という読み上げを確認できたら、1本指を画面にタッチして、そのまま指を画面の上で滑らせると、顔の位置関係を確認できます。
顔が小さなサイズで表示されている場合には、目や口の位置関係を確認するのはむずかしいでしょう。
写真を拡大することで、顔の位置関係を把握しやすくなるかもしれません。
ローター・カテゴリーを「拡大縮小」に合わせて倍率を変更した後、「アクション」のカテゴリーに切り替えて顔認識機能を実行します。
顔認識機能を非表示にするには、ローター・カテゴリーの「アクション」の中で
「顔認識機能を非表示」という項目を実行します。
__________目次の先頭へもどる__________
■■チャプター24 ホームボタン、スリープボタン、サイドボタンの働き
ホームボタン、スリープボタン、サイドボタンにはいくつかの機能が割り当てられています。
クリックする回数やボタンを長く押し続けることで、様々な機能を利用できます。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-1 ホームボタン
初代のiPhoneから画面の表面に一つだけ存在するボタン、それがホームボタンです。
2014年に発売されたiPhone 5sではTouch ID、指紋認証の役割を持つようになりました。
2017年に発売されたiPhone 7からは物理式のボタンから感圧式のボタンに変わりました。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-1-1 シングルクリック
ホーム画面を表示します。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-1-2 ダブルクリック
アップスイッチャー、マルチタスク画面を表示します。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-1-3 トリプルクリックでアクセシビリティ機能の呼び出し
これまでにVoiceOverのオン・オフを切り替える操作として、ホームボタンのトリプルクリックを紹介しました。
『■■チャプター3 VoiceOverをオンにしてみましょう『
を参照してください。
実はホームボタンのトリプルクリックは、iOSのアクセシビリティ機能を呼び出すショートカットになっています。
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「ショートカット」と進んで行きます。この中で選択肢を確認できます。
- AssistiveTouch
- VoiceOver
- カラーフィルター
- スイッチコントロール
- ズーム機能
- ホワイトポイントを下げる
- 色の反転(クラシック)
- 色を反転(スマート)
この内の一つを割り当ててもよいし、複数を割り当てることもできます。
もし何も割り当てられていない場合、ホームボタンのトリプルクリックをしてもダブルクリックと見なされて、アップスイッチャーの画面が表示されます。
また、iOS 10からは「拡大鏡」機能の呼び出しにも使うことができるようになりました。
複数の機能を割り当てた場合、ホームボタンをトリプルクリックすると、どの機能を選びますかという問い合わせとして「アクセシビリティオプション」の画面が表示されます。
VoiceOverのオンとオフをすぐに切り替えたい場合は、ショートカットに「VoiceOver」だけを選んでおく必要があります。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-1-4 ダブルタップで画面の上半分を引き下げて表示する「簡易アクセス」
iPhone 6や6s Plusなど、画面サイズの大きなiPhoneを縦に持って操作する場合、画面の上側に配置されている項目に指が届きにくいという問題があります。
その問題を解決してくれる機能が簡易アクセス(リーチャビリティ)の機能です。
●「ホームボタンのダブルタップ」
ホームボタンを軽く2回タップします。
ボタンを押し込んでしまうとダブルクリックとして作用してしまうので、やさしくタッチする感覚です。
シュッシュッという効果音と同時に、上半分の画面が下側に移動して表示されます。
元の状態に戻すには、
・もう一度ホームボタンのダブルタップをする
・自動的に画面が元に戻るのを待つ
(8秒ほどすると自動的に画面は切り替わります)
この簡易アクセスの機能をオフにしたい場合は、
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」と進み、
「簡易アクセス」の切り替えボタンをオフにします。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-1-5 タッチして指紋認証の利用「Touch ID」
ホームボタンは指紋認証のセンサーの役割も果たしています。
画面ロックを解除してホーム画面が表示される状態になっていると、だれでもiPhoneを操作できてしまうことになります。
それを防ぐためにパスコードを設定しておくことができます。
ただし、画面ロックを解除する旅に4桁や6桁の数字を入力するのは手間に感じてしまいます。
そんな時に便利なのがパスコードの代わりに利用できる指紋認証です。
設定アプリを開いて、「一般」→「Touch IDとパスコード」の中で指紋を登録することができます。
登録できる指紋の数は5種類です。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-1-6 長押し
ホームボタンを長く押し続けると、Siri(音声アシスタント)の機能を呼び出すことができます。
詳しくは、
『■■チャプター10 Siri、音声アシスタントの利用について』
を参照してください。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-1-7 ロック画面でのダブルクリック
Apple Payの利用登録が完了していれば、スリープ状態の時にホームボタンをダブルクリックすることで、支払い画面が表示されます。
この機能は変更できます。
設定アプリを開いて、「WalletとApple Pay」→「ホームボタンをダブルクリック」のオン・オフ切り替えで変更します。
(注意)
スリープ状態かロック画面で操作します。ロックが解除されている状態でダブルクリックを行うと、アップスイッチャーの画面に切り替わります。
また、素早くダブルクリックしないとロック解除されてホーム画面が表示されてしまいます。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-2 スリープボタン
iPhone SEでは本体の上側面に位置しています。
iPhone 6からは本体の右側面に位置するようになりました。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-2-1 長押し
電源をオンにします。
また、電源をオフにするボタンを表示します。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-2-2 シングルクリック
画面をロックします。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-2-3 5回クリック
緊急SOS画面を表示します。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-2-4 ホームボタンとスリープボタンの同時押し
スクリーンショットを撮影します。
詳しくは、
『■23-5 スクリーンショットを撮影する』
を参照してください。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-2-5 スリープボタンとホームボタンの同時長押し
強制再起動します。
物理式のホームボタンが搭載されているiPhoneのモデルで利用します。
詳しくは、
『■■チャプター27 iPhone本体の強制再起動について』
を参照してください。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-2-6 スリープボタンと音量ダウンボタンの同時長押し
強制再起動します。
感圧式のホームボタンが搭載されているiPhoneのモデルで利用します。
詳しくは、
『■■チャプター27 iPhone本体の強制再起動について』
を参照してください。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-3 サイドボタン
2017年に発売されたiPhone Xではホームボタンが非搭載になりました。
ホームボタンが担ってきた役割は、新しく加わったジェスチャーやサイドボタンに割り振られるようになりました。
スリープボタンの役割も担っています。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-3-1 長押し
電源をオンにします。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-3-2 サイドボタンと音量ボタンの同時長押し
電源をオフにするボタンと緊急SOSボタンを表示します。
音量ボタンはどちらか一つです。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-3-3 シングルクリック
画面をロックします。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-3-4 トリプルクリック
アクセシビリティショートカットの呼び出し。
VoiceOverのオン・オフを切り替える操作として、サイドボタンのトリプルクリックを紹介しました。
『■■チャプター3 VoiceOverをオンにしてみましょう』
を参照してください。
実はサイドボタンのトリプルクリックは、iOSのアクセシビリティ機能を呼び出すショートカットになっています。
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「ショートカット」と進んで行きます。この中で選択肢を確認できます。
- AssistiveTouch
- VoiceOver
- カラーフィルター
- スイッチコントロール
- ズーム機能
- ホワイトポイントを下げる
- 色の反転(クラシック)
- 色を反転(スマート)
この内の一つを割り当ててもよいし、複数を割り当てることもできます。
「拡大鏡」機能の呼び出しにも使うことができるようになりました。
複数の機能を割り当てた場合、ホームボタンをトリプルクリックすると、どの機能を選びますかという問い合わせとして「アクセシビリティオプション」の画面が表示されます。
VoiceOverのオンとオフをすぐに切り替えたい場合は、ショートカットに「VoiceOver」だけを選んでおく必要があります。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-3-5 ダブルクリックして顔認証の利用「Face ID」
Face IDとApple Payの利用登録が完了していれば、スリープ状態の時にサイドボタンをダブルクリックすることで、支払い画面が表示されます。
この機能は変更できます。
設定アプリを開いて、「WalletとApple Pay」→「サイドボタンをダブルクリック」のオン・オフ切り替えで変更します。
App Storeでアプリを購入する際にFace IDを利用する場合、その時にもサイドボタンのダブルクリックで顔認証できます。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-3-6 長押し
Siri(音声アシスタント)の機能を呼び出すことができます。
詳しくは、
『■■チャプター10 Siri、音声アシスタントの利用について』
を参照してください。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-3-7 5回クリック
緊急SOS画面を表示します。
設定アプリを開いて、「緊急SOS」の中で指定できます。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-3-8 サイドボタンと音量アップボタンの同時押し
スクリーンショットを撮影します。
詳しくは、
『■23-5 スクリーンショットを撮影する』
を参照してください。
__________目次の先頭へもどる__________
■24-3-9 音量アップ、音量ダウン、サイドボタンの長押し
強制再起動します。
詳しくは、
『■■チャプター27 iPhone本体の強制再起動について』
を参照してください。
__________目次の先頭へもどる__________
■■チャプター25 AssistiveTouchを利用してホームボタンを利用する
iOSのアクセシビリティ機能の一つであるAssistiveTouchでは、画面をタッチしたりボタンを押すことが困難な人向けに代替手段を提供してくれます。
画面上にアイコンが表示されて、それを実行することにより「消音」や「」Siri」の機能を働かせることができます。
VoiceOver環境では、このアイコンはアシスティブタッチと読み上げられます。
ホームボタンをクリックする動作も選べるので、ホームボタンが故障しているiPhoneを使用している人にとっても有用な機能となっています。
また、ホームボタンが非搭載のiPhoneでは、より便利に使われる機能になるかもしれません。
AssistiveTouch - iPhoneユーザガイド
http://help.apple.com/iphone/11/#/iph96b21954
__________目次の先頭へもどる__________
■25-1 カスタムアクション
iOS 11のAssistiveTouchでは、これまでの機能に加えてカスタムアクションを割り当てて実行できるようになりました。
画面上のAssistiveTouchアイコンを実行してメニューを表示させなくても、ダイレクト操作で四つのアクションを実行できます。
- 「シングルタップ」
VoiceOver環境では、1本指のダブルタップ。 - 「ダブルタップ」
VoiceOver環境では、1本指のトリプルタップ。 - 「長押し」
VoiceOver環境では、1本指のダブルタップ&ホールド。 - 「3D Touch」
それぞれのアクションに対して実行できる項目を割り当てるには、
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「AssistiveTouch」と進み、
「カスタムアクション」の欄で選択します。
次のアクションが選択可能です。
- ・「なし
- ・メニューを開く
- ・ホーム
- ・通知
- ・Siri
- ・コントロールセンター
- ・画面をロック
- ・音量を上げる
- ・音量を下げる
- ・消音
- ・アクセシビリティショートカット
- ・シェイク
- ・マルチタスク
- ・スクリーンショット
- ・画面の向きをロック
- ・ピンチ
- ・3D Touch
- ・ダブルタップ
- ・SOS
- ・解析
- ・簡易アクセス
- ・再起動
- ・ApplePay
- ・画面の読み上げ
- ・そのままAppに伝える
たとえば、
シングルタップに「ホーム」を指定すれば、1本指のダブルタップでホーム画面が表示されます。
ダブルタップに「マルチタスク」を指定すれば、1本指のトリプルタップでアップスイッチャーが表示されます。
__________目次の先頭へもどる__________
■25-2 AssistiveTouchアイコンの場所を移動する
AssistiveTouch機能をオンにすると画面上にアイコンが表示されますが、その位置はデフォルトでは画面の右下です。
VoiceOver環境では、1本指の右スワイプや左スワイプではそのアイコンに移動することはできません。
画面にタッチして、指を滑らせて見つけてください。
アイコンの場所を移動させることができます。
1本指のダブルタップ&ホールドで移動できるモードに入ります。
すぐに効果音が聞こえるので、移動モードに入ったことを確認できます。
画面に付けたままの指を移動先に滑らせていき、好みの場所で指を画面から離します。
これで移動は完了です。
__________目次の先頭へもどる__________
■25-3 VoiceOver環境で使用している場合の注意点
VoiceOverカーソルがAssistiveTouchのアイコンの箇所にいる状態では、別の項目に移動するのに工夫が必要です。タッチジエスチャーでは、1本指の左スワイプや右スワイプによる項目移動ができないのです。したがって、画面の任意の箇所をタッチして、AssistiveTouchのアイコンから離れる必要があります。
VoiceOver環境で外付けキーボードを利用している場合も同じです。カーソルキーによる移動ができなくなります。
フォーカスしたままのAssistiveTouchアイコンから離れるには、一つの方法として、
コントロールセンターを表示させます。
次にエスケープで元の画面に戻ります。
コントロールセンターを表示させるためのキーボードショートカットは、
コントロール + オプション + ページダウン
__________目次の先頭へもどる__________
■■チャプター26 3D Touch
iPhone 6sからは画面を押し込んで操作できる3D Touchの機能が搭載されています。
iPhoneのモデルによっては3D Touchの機能は搭載されていません。
アプリを起動しなくてもプレビュー画面を覗き見ることのできるPeekや、目的の操作をすぐに開くことのできるPopの動作を実行できます。
画面に軽くタッチしている1本の指を、画面の中に軽く押し込むような仕草です。
2段階の押し込みを感知します。
たとえば、砂の表面に指を置き、軽く押し込んで表面を凹ませる。2段階目は、そこからさらに凹ませる。そんな感じの仕草となります。
3D Touch - iPhone
http://help.apple.com/iphone/9/#/iphcc8f419db
手間をかけないで機能を実行するために、3D Touchによるクイックアクションが用意されているアプリもあります。
たとえばカメラアプリでは、3D Touchによりメニューを表示してくれますが、自分撮りをするために「セルフィーを撮る」という選択肢が表示されます。
また、ホーム画面でも、他のアプリが起動している画面の中でも、画面の左端で3D Touchを行うと、アップスイッチャーの画面が表示されます。
ホームボタンのダブルクリックの代わりに活用できます。
3D touchのオン・オフ切り替えや感度の変更をすることができます。
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「3D Touch」の中で変更できます。
__________目次の先頭へもどる__________
■■チャプター27 iPhone本体の強制再起動について
いろいろなアプリを実行していると、iPhoneの動きが遅くなってしまうことがあります。また、VoiceOverの反応が遅くなることもあります。
そんな時にはiPhone本体の強制再起動が有効な解決方法となります。
ただし、再起動された後は最初のホーム画面が表示されるので、書きかけのメールや閲覧中のページは見れなくなってしまうかもしれませんので頭に入れておいてください。
強制再起動の操作はiPhoneのモデルによって異なります。
- ●「スリープボタンと音量ダウンボタンの同時長押し」
ホームボタンが物理式ではないiPhone 7で行う手順です。
スリープボタンを押してから音量ダウンボタンを押して、二つのボタンを押したまま10秒ほど待ちます。
しばらくすると電源がオフになりますが、50秒ほどすれば自動的に電源がオンになりロック解除ボタンが表示されます。 - ●「スリープボタンとホームボタンの同時長押し」
iPhone SEのようにホームボタンが物理式のiPhoneで行う手順です。
スリープボタンとホームボタンを同時に押したまま10秒ほど待ちます。
しばらくすると電源がオフになりますが、50秒ほどすれば自動的に電源がオンになりロック解除ボタンが表示されます。 - ●「音量アップ、音量ダウン、サイドボタンの長押し」
ホームボタンのないiPhoneで行う手順です。
音量アップを1回クリック、次に音量ダウンを1回クリック、次にサイドボタンを10秒ほど長く押し続けます。
しばらくすると電源がオフになりますが、50秒ほどすれば自動的に電源がオンになりロック解除ボタンが表示されます。
iPhoneが再起動した後のロック解除画面では、タッチIDやフィスIDによるロック解除の操作はできません。パスコードを入力する必要があります。
もし1分ほど待ってもロック解除ボタンが表示されなければ、それは完全に電源がオフになった状態です。スリープボタンまたはサイドボタンを2秒ほど長押し、つまり通常の電源をオンにする操作を試みてください。
強制再起動の操作をすると画面にはアップルロゴが表示されるので、それが表示された時点でボタンから指を離せばうまく処理が進行します。面の見えないユーザはそれを確認できないので、ボタンを押し続けている時間が短すぎたり長すぎたりすると、単純に電源がオフになってしまうのです。
スリープボタンと音量ダウンボタンの同時押しの手順では、操作によっては再起動後に音量が0になっている場合があります。
ホームボタンにタッチするとクリックの感覚があるので電源がオンになっているはずなのにVoiceOverの音声が出ない場合、音量を上げてみてください。
__________目次の先頭へもどる__________
■■チャプター28 VoiceOverで動画コンテンツのクローズドキャプションを読み上げさせる「メディア説明サービス」
iOS 11では、VoiceOverで動画コンテンツを再生している時に表示されているクローズドキャプション(CC)を読み上げることができるようになりました。
また、点字ディスプレイに表示させることもできます。
Apple Music内のビデオコンテンツや、iTunes Storeで販売・レンタルされている映画では、日本語CCと英語CCが読み上げられることを確認できました。
聴覚障碍者向けの字幕として、CCの代わりにSDHという表記がされていることもあります。
日本語の吹き替え音声が提供されているビデオを視聴するとき、日本語の字幕を読み上げさせてもあまりメリットを感じることはないでしょう。
しかし、外国語の音声しか選べないビデオを再生させる時、日本語の字幕をVoiceOverが読み上げてくれると、それは大いに役に立ちます。
たとえば、Apple Musicで配信されている『Carpool Karaoke』の場合、日本語の音声は提供されていません。
そんな時にメディア説明サービスで日本語字幕を読み上げさせる、そんな使い方ができるわけです。
Apple MusicやiTunes Store内のビデオタイトルでは、再生画面の中で「代替トラック」のボタンを実行することで、音声字幕オプションが表示されます。
日本語CC、日本語SDHが選べるようになっていれば、それを選択状態にします。
ちなみに、
ADとは、Audio Descriptionの略です。
SDHとは、Subtitles for the Deaf and Hard of Hearingの略です。
CCとは、Closed Captionの略です。
事前準備として、クローズドキャプションを表示させる設定にしておく必要があります。
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「字幕とキャプション」の中で、
「クローズドキャプション+SDH」のオン・オフ切り替えボタン
この箇所をオンにしておきます。
字幕とクローズドキャプション - iPhone ユーザガイド
https://help.apple.com/iphone/11/?lang=ja#/iph3e2e23d1
また、Netflixのアプリでは英語CCだけが読み上げられることを確認しています。
たとえばNetflixオリジナル映画の『Death Note』を視聴する時、
再生画面の中で「音声字幕オプション」を開き、字幕の選択肢の中で「英語 CC」を選択状態にしておきます。
オプションメニューの画面を閉じて映画を再生すると、
そのシーンに合わせたクローズドキャプションの文字情報をVoiceOverは連続して読み上げてくれます。
俳優のセリフをVoiceOverの声が読んでくれるわけです。
CCやSDHは耳の聞こえにくい人向けに字幕を表示させるサービスですが、俳優のセリフだけでなく音風景を文字で表現したり、シーンの説明も加えられています。
メディア説明サービスでVoiceOverがクローズドキャプションを読み上げている時、俳優の声やBGMなどの音風景が聞こえにくくなりますが、VoiceOverのはっきりとした音声は台詞を聞き取りやすくしてくれます。
読み上げられた内容は4本指のダブルタップをすることで、クリップボードにコピーできます。
また、ローター・カテゴリーの「オーディオダッキング」をオンにすることで、VoiceOverの音声はさらに聞き取りやすくなります。
オーディオダッキングとは、VoiceOverがしゃべっている間だけ、音楽などの音量を自動的に下げてくれる機能です。
クローズドキャプションの文字情報を点字ディスプレイに出力させた場合、そのシーンに合わせて点字表示も切り替え表示されます。
点字出力を利用すれば、英語の語学学習に活用できるかもしれません。
文字の流れが速いのですべてを点字で読むというのは難しいかもしれませんが、この機能は盲聾の人たちにとっては動画を楽しむ新しい方法になることが期待されます。
普段VoiceOverを使っていない人たちにとっても、たとえば英語CCを読み上げさせた場合、はっきりとしたVoiceOverの英語発音で英語コンテンツを視聴できるということは、新しく英語学習法の一つに加わる可能性を秘めているような気がします。
__________目次の先頭へもどる__________
■28-1 VoiceOverにクローズドキャプションの文字情報を読み上げさせる手順
対応したアプリ、あるいは作品の視聴画面では、ローター・カテゴリーの中に「メディア説明サービス」という項目が選べるようになっています。
1本指の下スワイプか上スワイプで次の四つの選択肢が選べます。
・オフ
・読み上げ
・点字
・スピーチと点字
目的の箇所に合わせておけばよいだけです。
また、VoiceOverの設定メニューの中でも指定しておくことができます。
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「詳細度」と進み、
「メディアの説明サービス」の中で指定できます。
__________目次の先頭へもどる__________
■■チャプター29 点字画面入力
iOS 8からは点字画面入力という機能が加わりました。
六つの点で構成されている点字の特長を生かし、6本の指でタッチして文字入力を行おうという機能です。
画面に表示されているキーボード上の文字を選ぶ必要はないので、慣れればストレス無くスピーディーに文字入力できる可能性があります。
ただし、
2018年9月現在、日本語の文字入力においては実用的には使えません。
英語の文字入力においては実用レベルで使えます。
文字入力の場面で表示されているオンスクリーンキーボードの種類が日本語になっていれば、点字画面入力で日本語ひらがなをタイプすることができます。
また、iPhoneでは、6点の同時入力は認識しません。
同時に認識する指の数は5本までのようです。
日本語点字の6点をすべて必要とする「め」の文字を入力する場合は、同時にタップするのではなく、少しタイミングをずらす必要があります。
iPadでは、6点の同時入力ができます。
テキストフィールド内での文字入力以外でも、次のような場面で活用することができます。
- 1. パスコード入力を含めたテキストフィールドで、点字画面入力に対応した文字、数字、記号を入力できます。
(日本語環境でも可) - 2. ホーム画面で文字を入力すると、その文字から始まるアプリ名だけを表示して、1本指の上か下スワイプで移動できます。
(日本語環境でも可) - 3. サファリなどでウェブページを表示している画面では、用意されている文字を入力すると、特定の要素の箇所だけを1本指の上か下スワイプで移動できます。
たとえば、「l」はリンク、「b」はボタンです。
(日本語環境では不可)
__________目次の先頭へもどる__________
■29-1 点字画面入力をするための準備と注意点
点字画面入力を使ってみたい人は、VoiceOverのローター・カテゴリーに「点字画面入力 Braille Screen Input」を追加します。
点字画面入力ができる場面では、ローター操作で「点字画面入力」が選べます。
そのカテゴリーに合わせると、実際に点字の入力方式で文字入力ができます。
ただし、点字画面入力できる状態では、VoiceOverの一般的なジェスチャーが利用できません。一般的なVoiceOverのジェスチャーを使いたい時には、ローター操作で「点字画面入力」以外のカテゴリーに合わせる必要があります。
あるいはスクラブのジェスチャーを利用してモードを切り替えます。
__________目次の先頭へもどる__________
■29-2 ホールドモードとテーブルモード、iPhoneの持ち方について
iPhoneで点字画面入力の状態にすると、横向き表示の画面に切り替わります。そして、二つのスタイルで点字入力することができます。
机の上に置く場合はテーブルモード。
写真撮影のように両手で抱えて持つ場合はホールドモードです。
画面サイズの小さなiPhoneで点字入力をする場合、ホールドモードが都合よいかもしれません。
両手の親指と小指でiPhone本体を持ち、残りの6本の指で点字入力します。
パーキンスブレーラーのように指を横にそろえるのではなく、縦に配置します。
昔の点字の達人は点字の本を読む時に、お腹に背表紙を宛てて本を縦に持って読んでいたそうです。
iPhoneをお腹に宛ててホールドすると、安定した点字入力ができそうです。
iPadではテーブルモードにすると、パーキンスブレーラーのように指を横に配置して入力することができます。
さて、持ち方を決めたら、今度は点の位置を調整します。
調整した点の位置を頭に入れて、文字入力するわけです。
ホールドモードの場合、まずは右側の指3本を同時にタップして、すぐさま左側の指3本で同時にタップします。
テーブルモードの場合は、左側の指3本でタップしてから、すぐさま右側の指3本でタップします。
点の調整が正常に行われたら、
「点の位置を調整しました」という読み上げを確認できます。
ホールドモードの場合、
1の点が左手人差し指。
2の点が左手中指。
3の点が左手薬指。
4の点が右手人差し指。
5の点が右手中指。
6の点が右手薬指。
テーブルモードの場合、
1の点が右手人差し指。
2の点が右手中指。
3の点が右手薬指。
4の点が左手人差し指。
5の点が左手中指。
6の点が左手薬指。
__________目次の先頭へもどる__________
■29-3 点字画面入力モードで利用できるジェスチャー
ローター操作で「点字画面入力 Braille Screen Input」の項目に合わせると、文字や数字を入力できるだけでなく、専用のジェスチャーが利用できます。
VoiceOverの操作練習の画面では、点字画面入力で利用可能なジェスチャーを練習することができます。
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「VoiceOverの操作練習」と進みます。
VoiceOverの操作練習の画面では、最上部に「一般」、「手書き」、「点字」の切り替えボタンが用意されています。
ここを選択状態にすることで、それぞれのジェスチャーを練習することができるようになっています。
点字画面入力ジェスチャーの練習を終えたら、「一般」ボタンを実行しておくことをお勧めします。
ここで「点字」を選んだままにしておくと、4本指のダブルタップでジェスチャー練習モードに入った時、「点字」のジェスチャーだけが練習できる状態です。
練習モードから抜け出すには4本指のダブルタップは利用できないので、スクラブのジェスチャーを実行する必要があります。
- 1. 3本指の右スワイプ、もしくは3本指の左スワイプ
入力方式を6点式と2級英語点字に切り替えます。
6点式の場合、文字入力と同時にその文字が読み上げられます。
2級英語点字の場合、たとえば「p」を入力した後に1本指の右スワイプを行うと、「people」とスペースが入力されます。
この時は「p」という文字入力の際には音声読み上げはなく、1本指の右スワイプをした後で「people」が読み上げられます。 - 2. 1本指の右スワイプ
スペースを挿入します。 - 3. 1本指の左スワイプ
最後に入力した文字を削除します。
キーボードのバックスペースキーと同じ働きです。 - 4. 2本指の右スワイプ
改行、もしくはリターンキーの実行。
ホーム画面では、アプリを実行します。 - 5. 2本指の下スワイプ
2級英語点字を入力する状態では、文字をタイプした後にこのジェスチャーを行うと、フルスペルに訳してくれます。
たとえば「p」をタイプした後で2本指の下スワイプを行うと、「people」と訳します。
この時は「p」という文字入力の際には音声読み上げはなく、2本指の右スワイプをした後で「people」が読み上げられます。スペースキーを入れたくない時に使うと便利でしょう。 - 6. 1本指の上スワイプ、もしくは1本指の下スワイプ
テキストフィールド内で文字を入力している時は、スペル候補を選択します。
ホーム画面では、アプリ間を移動します。文字入力すると、その文字で始まるアプリだけを絞込み表示させて移動できます。
ウェブ上では、要素間を移動します。たとえば「l」の文字を入力後だと、リンクの要素だけを移動することができます。
__________目次の先頭へもどる__________
■■チャプター30 手書き入力について
iOS 7からは手書き入力という機能が加わりました。
画面に表示されているキーボード上の文字を選ぶ必要はないので、慣れればストレス無く文字入力できる可能性があります。
ただし、
2018年9月現在、日本語の言語環境では実用的には使えません。
対応している言語環境では、テキストフィールド内での文字入力以外でも、次のような場面で活用することができます。
言語環境が英語の場合、
- 1. パスコード入力を含めたテキストフィールドで、手書き入力に対応したアルファベット文字の大文字、小文字、数字、句読点が入力できます。
- 2. ホーム画面でアルファベットを入力すると、その文字から始まるアプリだけを表示して、ジェスチャー操作で移動できます。
- 3. サファリでウェブページを表示している画面では、用意されている文字を入力すると、特定の要素の箇所だけをジェスチャー操作で移動できます。
たとえば、「l」はリンク、「b」はボタンです。
iOSの言語環境を英語に切り替えて試したい人は、次の手順を行ってください。
たとえば、アメリカ英語の環境に変更する場合、
「設定 Setting」アプリを開いて、「一般 General」→
「言語と地域 Language & Region」と進みます。
この中の
「iPhoneの使用言語 iPhone Language」を「English」に、
「地域 Region」を「アメリカ合衆国 United States」に変更します。
言語環境の切り替えには少し時間がかかります。
日本語環境に切り替えたいときには、上記の手順の中で、「Japanese 日本語」を選んでください。
__________目次の先頭へもどる__________
■30-1 手書き入力をするための準備と注意点
手書き入力を使ってみたい人は、VoiceOverのローター・カテゴリーに「手書き Handwriting」を追加します。
手書き入力ができる場面では、ローター・カテゴリーの中に「手書き Handwriting」が現れます。
そのカテゴリーに合わせると実際に手書き入力することができます。
ただし、手書き入力できる状態では、VoiceOverの一般的なジェスチャーが利用できません。一般的なVoiceOverのジェスチャーを使いたい時には、ローター操作で「手書き Handwriting」以外のカテゴリーに合わせる必要があります。
あるいはスクラブのジェスチャーを利用してモードを切り替えます。
__________目次の先頭へもどる__________
■30-2 手書き入力モードで利用できるジェスチャー
ローター操作で「手書きHandwriting」のカテゴリーに合わせると、文字や数字を入力できるだけでなく、専用のジェスチャーが利用できます。
VoiceOverの操作練習の画面では、手書き入力で利用可能なジェスチャーを練習することができます。
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「VoiceOverの操作練習」と進みます。
VoiceOverの操作練習の画面では、最上部に「一般」、「手書き」、「点字」の切り替えボタンが用意されています。
ここを選択状態にすることで、それぞれのジェスチャーを練習することができるようになっています。
手書きジェスチャーの練習を終えたら、「一般」ボタンを実行しておくことをお勧めします。
ここで「手書き」を選んだままにしておくと、4本指のダブルタップでジェスチャー練習モードに入った時、「手書き」のジェスチャーだけが練習できる状態です。
練習モードから抜け出すには4本指のダブルタップは利用できないので、スクラブのジェスチャーを実行する必要があります。
- 1. 3本指の上スワイプ、もしくは3本指の下スワイプ
入力できる文字の種類を切り替えます。
英語の場合だと、「Lowercase 小文字」、「Uppercase 大文字」、「Numbers 数字」、「Punctuation 句読点」の4種類です。
文字の種類を指定してから、手書き入力を始めるわけです。
入力した文字が認識されると、その文字を読み上げてくれます。 - 2. 2本指の左スワイプ
最後に入力した文字を削除します。
キーボードのバックスペースキーと同じ働きです。 - 3. 2本指の右スワイプ
空白を挿入。 - 4. 3本指の右スワイプ
リターンキーを押します。 - 5. 2本指の上スワイプ、もしくは2本指の下スワイプ
テキストフィールド内で文字を入力している時などは、もし認識された文字が自分が意図した文字と違う場合、このジェスチャー操作により、別の文字に置き換えることができます。
また、サファリでウェブページを閲覧中には、特定の文字を入力後、このジェスチャーにより、その文字に割り当てられた要素に移動します。たとえば「l」の文字を入力後だと、リンクの要素だけを移動することができます。
ホーム画面では、文字入力後にその文字から始まる名前のアプリだけが絞込み表示されますが、このジェスチャーにより、それらのアプリに移動できます。
__________目次の先頭へもどる__________
■■チャプター31 画面のズーム、白黒反転
アクセシビリティの項目の中に「ズーム」があります。これはどのアプリを開いている時でも画面の拡大操作ができるので、ロービジョンの人にとっては便利な機能です。iOS 6になってVoiceOverとズームの機能はいっしょに使うことができるようになりました。
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「ズーム機能」の中に入ります。
「ズーム機能」をの項目オンにします。
ズーム領域は選べるようになっており、画面全体を拡大させる場合はフルスクリーン、一部の画面を拡大させたい場合はウインドーズームを指定しておきます。
コントローラを表示させておくと、3D Touch機能が搭載されたiPhoneでは、画面上のコントローラを3D Touchで押し込むことにより、その部分が拡大されます。
そのコントローラを押し込んだままドラッグさせるとズームウインドーを移動できます。
ズーム機能 - iPhone
http://help.apple.com/iphone/9/#/iph3e2e367e
ズーム機能で使用するジェスチャーは次の三つです。
- 1. ●「3本指のダブルタップ」
3本の指で画面をトン・トンと素早く2回たたきます。
これでズームのオン・オフが切り替わります。
しかし、音声での読み上げがないため、ズームがオンになっているのかどうかは耳で確認することはできません。 - もしズームがオンになっていないと、以下の二つの操作はできません。
2. ●「3本指のダブルタップ&ホールド&ドラッグ」
3本の指で画面をトン・トンと素早く2回たたきますが、2回目のタップでは指を離さず画面につけた状態にします。
そこから上に指を滑らせていくと拡大率が上がります。
指を下に滑らせると拡大率は下がります。
ここでも音声の案内はありません。
この操作で拡大率が切り替わらない場合、ズームモードがオフになっているかもしれません。1.の操作を繰り返してみてください。 - 3. 3本指のドラッグ
3本指を同時に画面にタッチして、上下左右に指を滑らせます。拡大範囲が切り替わります。
ズームモードをオフにすると通常の文字サイズで表示されます。一度設定した倍率は記憶されているので、再びズームモードをオンにするとその大きさで表示されます。
__________目次の先頭へもどる__________
■31-1 VoiceOverとズームを併用する時の注意点
VoiceOverとズームの機能を同時に使用していると、一部のジェスチャー操作が異なります。
音声読み上げのオンとオフの切り替えは、3本指のトリプルタップになります。
スクリーンカーテンのオンとオフの切り替えは、3本指の4回タップになります。
読み上げた内容をペーストボードにコピーするには、3本指の5回タップになります。
__________目次の先頭へもどる__________
■31-2 標準ジェスチャーによる拡大操作
すべてのアプリで使用できるわけではないですが、写真や地図を表示している時に目的の部分を拡大します。VoiceOverがオフの時に実行できます。
●「ピンチアウト」
2本の指を同時に拡大したい画面の場所にタッチします。そして、指と指の間を離していきます。
たとえば、アルファベットのOからCへ変化させていくイメージです。
これによりその部分が拡大されます。
●「ピンチイン」
先ほどと逆の操作です。CからOへ、指をくっつけるように近づけていくと拡大率が下がります。
たとえばマップで地図を表示している時、このピンチアウトのジェスチャーでは文字は拡大されないようです。
アクセシビリティのズーム機能を利用すると文字を大きくできます。
__________目次の先頭へもどる__________
■31-3 白黒反転
iOSでは、画面の白黒表示、色反転をすることができます。
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「ディスプレイ調整」→「カラーフィルタ」の中に入り、
「グレイスケール」をオンにします。
これにより、画面は白黒表示に切り替わります。
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「ディスプレイ調整」→「色を反転」の中に入ります。
「反転クラシック」をオンにすると、単純に文字と背景の色が反転します。
「反転スマート」をオンにすると、反転してほしくない画像などはそのままの色で表示されます。
__________目次の先頭へもどる__________
■31-4 拡大鏡
iOS 10から「拡大鏡」という機能が加わりました。
ホームボタンをトリプルクリックすることで、背面カメの映像を15倍まで拡大させて見ることができます。
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「拡大鏡」の中に入り、
「拡大鏡」をオンにします。
ホームボタンのトリプルクリックで拡大鏡の機能が呼び出せます。
元の画面に戻るには、ホームボタンをシングルクリックします。
ホームボタンのトリプルクリックでVoiceOverのオンとオフを切り替える必要のない人にとっては、都合のよい機能だと言えるでしょう。
また、コントロールセンターの中でも拡大鏡を呼び出すことができます。
拡大鏡 - iPhone ユーザガイド
http://help.apple.com/iphone/10/#/iphe867dc99c
__________目次の先頭へもどる__________
■■チャプター32 iPad特有の操作法
このチャプターで紹介する内容はiPhoneでは利用できません。
iPadをVoiceOver環境で使う場合、同じジェスチャーを利用することができますが、iPadでのみ使えるジェスチャーも存在します。
また、iPhoneと同じアプリをインストールして使うこともできますが、レイアウトが異なっているアプリもあります。
たとえば、設定アプリは画面の左側にメインメニューを表示して、右側にサブメニューを表示するというレイアウトになっています。
画面分割されているアプリの場合、1本指の右スワイプや左スワイプでそれぞれの画面の項目を行き来できません。それぞれの画面のエリアにタッチしてどんな項目が並んでいるかを確認する必要があります。
分割された画面のエリアを移動するには、ローター・カテゴリーの「コンテナ」に合わせて1本指の下スワイプか上スワイプをするとよいでしょう。
Bluetoothキーボードで操作する場合、iPhoneよりも多くのショートカットキーが用意されているのも特徴です。
__________目次の先頭へもどる__________
■32-1 iPad特有のジェスチャー
VoiceOverがオンでもオフでも利用できるジェスチャーが用意されています。
設定アプリを開いて、「一般」→「マルチタスクとDock」→「ジェスチャー」の項目がオンになっている必要があります。
●「5本指のピンチイン」
ホーム画面を開きます。
親指と残り4本指との間を広げて画面にタッチして、それらの指をピンチイン、くっつけます。
●「5本指のピンチアウト」
アップスイッチャーを表示します。
親指と残り4本の指をくっつけて画面にタッチして、親指とその他の4本指との間を広げます。
●「4本指の右スワイプか左スワイプ」
アプリを切り替えます。
__________目次の先頭へもどる__________
■32-2 iPadでの「Dock」の利用、「スライドオーバー」と「スプリットビュー」
iOS 9で加わった機能ですが、対応するiPadであれば、スライドオーバーとスプリットビューという機能を利用することができます。
iOS 11からはその操作方法がことなります。
また、呼び出せるアプリは、ホーム画面の下に表示されているDockの箇所に配置しておく必要があります。
それに伴って、Dockの役割も変わりました。
iPadでは、ドラッグ&ドロップの操作でファイルや写真の移動を容易にできるようになりました。
たとえばスプリットビューで写真アプリとメールアプリを表示させていれば、写真データをドラッグして新規メール作成の画面にドロップすることで、簡単に添付データ付きのメールを作成することもできます。
複数の App を同時に使用する - iPad ユーザガイド
https://help.apple.com/ipad/11/?lang=ja#/iPad3e67c9c1
項目をドラッグ&ドロップする - iPad ユーザガイド
https://help.apple.com/ipad/11/?lang=ja#/iPadaa83b207
- 「Dock」
ホーム画面の下に位置しています。
ホーム画面のページを切り替えても、Dockに配置されているアプリはいつでも確認することができます。
iOS 11では、アプリを開いていても、ジェスチャー操作でDockのアプリ一覧を表示させることができるようになりました。 - 「Slide Over、スライドオーバー」
あるアプリを開いている時に、いつでも別のアプリを呼び出して表示させることができます。
たとえば、メールの本文を読んでいて調べたい単語がある場合、辞書アプリを呼び出して単語検索するといった使い方ができます。
その場合、画面上では、メールは後ろに、呼び出された辞書アプリは前に、表示されます。
スライドオーバーで表示されるアプリのことをサイドアップと呼んでいます。
VoiceOver環境では、表示されたサイドアップは画面の右側で確認できます。 - 「Split View、スプリットビュー」
一つの画面に二つのアプリを同時に表示させて仕様することができます。
たとえば、左側の画面にSafariアプリを表示させておき、
右側の画面でメモアプリを開いておくという使い方です。
スライドオーバーとスプリットビューをを利用するためには、
設定アプリを開いて、「一般」→「マルチタスクとDock」→「複数のAppを許可」の項目がオンになっている必要があります。
__________目次の先頭へもどる__________
■32-2-1 iPadでのDockの働き
ホーム画面ではアプリのアイコンが一覧表示されていますが、画面の下のエリアはDockと呼ばれています。
ホーム画面のページを切り替えても、Dockに配置されているアプリはいつでも表示されているので、よく使うアプリはここに配置しておくと便利です。
iOS 11では、アプリを開いていても、ジェスチャー操作でDockのアプリ一覧を表示させることができるようになりました。
●画面の下端から2本指の上スワイプ
画面の下端から、2本の指を上に向けてスーッと滑らせてからピッと離します。
これで画面の下の箇所にDockアプリが表示されます。
この時、ヒューンという効果音が聞こえます。
VoiceOverがオフの時の標準ジェスチャーは、画面の下端から1本指で上スワイプです。
また、アップスイッチャーの画面、コントロールセンターの画面でも、Dockアプリは表示されます。
Dockに配置できるアプリの数は15個です。
また、最近使った三つのアプリは履歴表示されます。
ホーム画面で、アプリをDockのエリアに移動するには、ドラッグ&ドロップの操作を利用します。
詳しくは、
『■■チャプター16 ホーム画面でのアプリの削除と移動、フォルダ管理 「ドラッグ&ドロップ」』
を参照してください。
__________目次の先頭へもどる__________