iOS 12 VoiceOver ジェスチャー解説 後半(チャプター23からあとがきまで)

見えなくても使えるiPhone -- VoiceOverでの操作解説(iOS 12編) 後半

前半は
iOS 12 VoiceOver ジェスチャー解説 前半(まえがきからチャプター22まで) : Voice Of i -- 見えなくても使えるiPhone(資料集)
http://voicei-gestures.seesaa.net/article/463662783.html?1547472606
を閲覧してください。


執筆者:
品川 博之
Email:
voice-of-i@outlook.jp
Twitter:
@voice_of_i https://twitter.com/voice_of_i

製作完了日
2019年1月17日



項目の先頭にはそれぞれ以下の記号を付記しています。
文字検索などを利用しながら閲覧ください。

■■ 大見出し
■ 小見出し
● ジェスチャー

目次の始まりには「はじまり」を、目次の終わりには「おわり」と記しています。
目次を読むのが面倒な人は、「目次 おわり」にジャンプして読み進めてください。







■■チャプター23 カメラを使ってみよう


iPhoneやiPadではカメラによる写真とビデオの撮影ができます。
本体の背面と前面にレンズが配置されており、背面カメラはiSightカメラと呼ばれ、前面カメラはFaceTimeカメラと呼ばれています。

背面のカメラは画素数が高いのできれいな写真を記録できます。
前面のカメラでは自分撮り(セルフィー)やビデオ通話などに活用できます。


ホーム画面からカメラを起動してみましょう。
最初にカメラアプリを起動すると、位置情報を許可するかどうかの問い合わせが表示されます。どちらかを選ぶと先に進めます。

写真とビデオを切り替えることができます。
画面の下端から2センチほど上の箇所に「カメラモード」と読み上げられる箇所があります。この箇所で1本指の上スワイプか下スワイプをすることにより、カメラのモードを切り替えることができます。

また、フラッシュの切り替え、タイマーの設定、ズームの調整などのボタン類も表示されています。
iPhone XRとiPhone XSシリーズでは、ビデオ撮影はステレオ録音に設定することもできるようになっています。



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■23-1 写真を撮影する操作


いくつかの方法が用意されています。

  • 1. 撮影ボタンのダブルタップ
    画面の下端の行で中央に「写真を撮影」ボタン、もしくは「ビデオ撮影」ボタンが表示されているので、これを1本指でダブルタップします。
    ビデオ録画のモードでは録画が始まり、もう一度同じボタンをダブルタップすることで録画が停止します。
    ビデオ録画の開始時には高めの効果音があり、録画の終了時には低めの効果音があります。

    また、写真モードでは、「写真を撮影」ボタンを1本指でダブルタップ&ホールドすると、その間は連射状態になります。



  • 2. 2本指のダブルタップ
    画面のどこで実行してもかまいません。写真モードの時はシャッターが切られます。
    ビデオ録画のモードでは録画が始まり、もう一度2本指でダブルタップすることで録画が停止します。



  • 3. 音量ボタンのクリック
    音量ボタンをクリックすることでも撮影ができます。
    プラスでもマイナスでもどちらのボタンでもかまいません。
    ビデオ録画のモードでは録画が始まり、もう一度音量ボタンをクリックすることで録画が停止します。

    また、写真モードでは、音量ボタンを押し続けていると、その間は連射状態になります。




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■23-2 手ブレを防ぐ方法


タップ操作をすると本体が揺れてしまい、きれいな写真が取れない場合があります。
付属のイヤホンマイクをつなぐと、音量ボタンが撮影ボタンの役割をしてくれるので、iPhone本体から手を離したまま写真撮影ができます。



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■23-3 オートフォーカスと顔認識機能


撮影したい被写体にカメラをしばらく向けておくとオートフォーカス機能が働き、自動的にピントが調整されます。
また、被写体に人物の顔が含まれている場合は、その人数や画面の中での顔の位置を読み上げてくれます。

背面カメラと前面カメラの切り替えやフラッシュのオン、オフ、自動の設定もカメラのアプリの画面上で実行できます。

LEDフラッシュ機能が搭載されているのはiPhone 4以降のiPhoneと、2012年10月に発売された第五世代のiPod touch以降です。
iPadでLEDフラッシュが搭載されたのは、2015年3月に発売されたiPad Pro 9.7インチモデルからです。



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■23-4 カメラアプリをすぐに起動するには


カメラのアプリはホーム画面から開く以外に、スリープモードの画面からもすぐに起動できます。
ロック解除ボタンを表示させた状態で3本指の左スワイプを行います。
するとカメラアプリが起動します。

ホームボタンのないiPhoneでは、画面ロックを解除する前の画面にカメラボタンが配置されています。
右下端に「カメラ」ボタン、左下端に「懐中電灯」ボタンです。

また、Siriを起動して「カメラ」と声で支持してもカメラアプリが起動します。
コントロールセンターの中からもカメラを開くことができます。



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■23-5 スクリーンショットを撮影する


表示している画面を写真として記録することができます。
VoiceOver環境ではスクリーンカーテンをオフにする必要があります。


ホームボタンのあるiPhoneの場合、
●「スリープボタンとホームボタンの同時押し」
スリープボタンとホームボタンを同時に短く押します。
先に一方のボタンを押してからすぐにもう一方のボタンを押してもかまいません。二つのボタンを長く押し続けるとiPhone本体の再起動操作に変わるので気をつけてください。
シャッター音が聞こえるので撮影されたことが確認できます。

ホームボタンのないiPhoneの場合、
●「サイドボタンと音量ボタンの同時押し」
サイドボタンと音量アップボタンを同時に1回クリックします。
ボタンを長く押し続けると、電源オフの画面が表示されるので気をつけてください。


記録された画像はカメラロールに追加されます。



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■23-6 写真アプリの顔認識機能


iOSデバイスで写真撮影をする時、ファインダーの中に人物の顔が入っているかどうか、その数と位置や大きさをVoiceOverは案内してくれます。

写真アプリでは、撮影された写真の中に人物の顔が含まれている場合、顔認識機能を利用することで、画面内での顔の位置、さらには口や鼻の位置を確認することができます。

iOS標準のマップアプリでは、画面に付けたままの指を滑らせることで、建物や道路の位置関係を確認することができますが、それと同じような操作性となっています。


写真アプリで顔認識機能を利用する手順は、

  • 1. 写真アプリを開いて、一覧表示されている中から目的の写真を1本指でダブルタップして表示します。



  • 2. 1本指の下スワイプか上スワイプで、メニューの中から「顔認識機能を表示」の箇所に合わせて実行します。

    メニューが読み上げられない場合は、ローター・カテゴリーを「アクション」に合わせる必要があります。



  • 3. 人物の顔が含まれていれば、「顔」という読み上げを確認できます。
    顔が含まれていなければ「イメージ」と読み上げられます。

    「顔」という読み上げを確認できたら、1本指を画面にタッチして、そのまま指を画面の上で滑らせると、顔の位置関係を確認できます。



顔が小さなサイズで表示されている場合には、目や口の位置関係を確認するのはむずかしいでしょう。

写真を拡大することで、顔の位置関係を把握しやすくなるかもしれません。
ローター・カテゴリーを「拡大縮小」に合わせて倍率を変更した後、「アクション」のカテゴリーに切り替えて顔認識機能を実行します。

顔認識機能を非表示にするには、ローター・カテゴリーの「アクション」の中で
「顔認識機能を非表示」という項目を実行します。



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■23-7 シャッター音とLive Photosについて


写真を撮影する時のシャッター音は消すことができません。
海外で発売されているiPhoneであれば、サイレントモードをオンにしておくことでシャッター音を出さないようにできます。
しかし、日本と韓国で販売されているiPhoneではそれができないようになっているのだそうです。

もしシャッター音が気になるようであれば、Live Photosのモードをオンにしておくことをお勧めします。
この機能は、撮影ボタンを実行する前後1.5秒をビデオとして記録してくれるものです。
Live Photosをオンにした状態で写真を撮影すると、カシャッという大きな音ではなく、プポンという小さい音の効果音に変わります。

映像だけでなく音声も記録してくれるので、撮影後の写真を確認するのにも都合がよいでしょう。

写真アプリの中ではLive Photosという名前が付けられているので、他の写真やビデオと区別できます。
VoiceOverではフォトズと読み上げられます。

記録された動画を再生するには、3D Touchを行います。
3D Touch機能のないiPhoneでは、そのLive Photosを開いた状態で、画面中央のイメージの箇所に対して1本指のダブルタップ&ホールドを行います。



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■■チャプター24 ホームボタン、スリープボタン、サイドボタンの働き


ホームボタン、スリープボタン、サイドボタンにはいくつかの機能が割り当てられています。
クリックする回数やボタンを長く押し続けることで、様々な機能を利用できます。



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■24-1 ホームボタン


初代のiPhoneから画面の表面に一つだけ存在するボタン、それがホームボタンです。
2014年に発売されたiPhone 5sではTouch ID、指紋認証の役割を持つようになりました。
2017年に発売されたiPhone 7からは物理式のボタンから感圧式のボタンに変わりました。



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■24-1-1 シングルクリック

ホーム画面を表示します。



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■24-1-2 ダブルクリック

アップスイッチャー、マルチタスク画面を表示します。



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■24-1-3 トリプルクリックでアクセシビリティ機能の呼び出し

これまでにVoiceOverのオン・オフを切り替える操作として、ホームボタンのトリプルクリックを紹介しました。
『■■チャプター3 VoiceOverをオンにしてみましょう』
を参照してください。

実はホームボタンのトリプルクリックは、iOSのアクセシビリティ機能を呼び出すショートカットになっています。
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「ショートカット」と進んで行きます。この中で選択肢を確認できます。

  • AssistiveTouch

  • VoiceOver

  • カラーフィルター

  • スイッチコントロール

  • ズーム機能

  • ホワイトポイントを下げる

  • 色の反転(クラシック)

  • 色を反転(スマート)


この内の一つを割り当ててもよいし、複数を割り当てることもできます。
もし何も割り当てられていない場合、ホームボタンのトリプルクリックをしてもダブルクリックと見なされて、アップスイッチャーの画面が表示されます。

また、iOS 10からは「拡大鏡」機能の呼び出しにも使うことができるようになりました。

複数の機能を割り当てた場合、ホームボタンをトリプルクリックすると、どの機能を選びますかという問い合わせとして「アクセシビリティオプション」の画面が表示されます。
VoiceOverのオンとオフをすぐに切り替えたい場合は、ショートカットに「VoiceOver」だけを選んでおく必要があります。



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■24-1-4 ダブルタップで画面の上半分を引き下げて表示する「簡易アクセス」

iPhone 6や6s Plusなど、画面サイズの大きなiPhoneを縦に持って操作する場合、画面の上側に配置されている項目に指が届きにくいという問題があります。
その問題を解決してくれる機能が簡易アクセス(リーチャビリティ)の機能です。

●「ホームボタンのダブルタップ」
ホームボタンを軽く2回タップします。
ボタンを押し込んでしまうとダブルクリックとして作用してしまうので、やさしくタッチする感覚です。

シュッシュッという効果音と同時に、上半分の画面が下側に移動して表示されます。
元の状態に戻すには、
・もう一度ホームボタンのダブルタップをする
・自動的に画面が元に戻るのを待つ
(8秒ほどすると自動的に画面は切り替わります)

この簡易アクセスの機能をオフにしたい場合は、
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」と進み、
「簡易アクセス」の切り替えボタンをオフにします。



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■24-1-5 タッチして指紋認証の利用「Touch ID」

ホームボタンは指紋認証のセンサーの役割も果たしています。
画面ロックを解除してホーム画面が表示される状態になっていると、だれでもiPhoneを操作できてしまうことになります。
それを防ぐためにパスコードを設定しておくことができます。

ただし、画面ロックを解除する旅に4桁や6桁の数字を入力するのは手間に感じてしまいます。
そんな時に便利なのがパスコードの代わりに利用できる指紋認証です。

設定アプリを開いて、「一般」→「Touch IDとパスコード」の中で指紋を登録することができます。
登録できる指紋の数は5種類です。



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■24-1-6 長押し

ホームボタンを長く押し続けると、Siri(音声アシスタント)の機能を呼び出すことができます。
詳しくは、
『■■チャプター10 Siri、音声アシスタントの利用について』
を参照してください。



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■24-1-7 ロック画面でのダブルクリック

Apple Payの利用登録が完了していれば、スリープ状態の時にホームボタンをダブルクリックすることで、支払い画面が表示されます。
この機能は変更できます。
設定アプリを開いて、「WalletとApple Pay」→「ホームボタンをダブルクリック」のオン・オフ切り替えで変更します。

(注意)
スリープ状態かロック画面で操作します。ロックが解除されている状態でダブルクリックを行うと、アップスイッチャーの画面に切り替わります。
また、素早くダブルクリックしないとロック解除されてホーム画面が表示されてしまいます。



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■24-2 スリープボタン


iPhone SEでは本体の上側面に位置しています。
iPhone 6からは本体の右側面に位置するようになりました。



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■24-2-1 長押し

電源をオンにします。
また、電源をオフにするボタンを表示します。



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■24-2-2 シングルクリック

画面をロックします。



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■24-2-3 5回クリック

緊急SOS画面を表示します。



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■24-2-4 ホームボタンとスリープボタンの同時押し

スクリーンショットを撮影します。

詳しくは、
『■25-5 スクリーンショットを撮影する』
を参照してください。



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■24-2-5 スリープボタンとホームボタンの同時長押し

強制再起動します。
物理式のホームボタンが搭載されているiPhoneのモデルで利用します。

詳しくは、
『■■チャプター27 iPhone本体の強制再起動について』
を参照してください。



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■24-2-6 スリープボタンと音量ダウンボタンの同時長押し

強制再起動します。
感圧式のホームボタンが搭載されているiPhoneのモデルで利用します。

詳しくは、
『■■チャプター27 iPhone本体の強制再起動について』
を参照してください。



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■24-3 サイドボタン


2017年に発売されたiPhone Xではホームボタンが非搭載になりました。
ホームボタンが担ってきた役割は、新しく加わったジェスチャーやサイドボタンに割り振られるようになりました。

スリープボタンの役割も担っています。



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■24-3-1 長押し

電源をオンにします。



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■24-3-2 サイドボタンと音量ボタンの同時長押し


電源をオフにするボタンと緊急SOSボタンを表示します。
音量ボタンはどちらか一つです。



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■24-3-3 シングルクリック

画面をロックします。



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■24-3-4 トリプルクリック

アクセシビリティショートカットの呼び出し。

VoiceOverのオン・オフを切り替える操作として、サイドボタンのトリプルクリックを紹介しました。
『■■チャプター3 VoiceOverをオンにしてみましょう』
を参照してください。

実はサイドボタンのトリプルクリックは、iOSのアクセシビリティ機能を呼び出すショートカットになっています。
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「ショートカット」と進んで行きます。この中で選択肢を確認できます。

  • AssistiveTouch

  • VoiceOver

  • カラーフィルター

  • スイッチコントロール

  • ズーム機能

  • ホワイトポイントを下げる

  • 色の反転(クラシック)

  • 色を反転(スマート)


この内の一つを割り当ててもよいし、複数を割り当てることもできます。
「拡大鏡」機能の呼び出しにも使うことができるようになりました。

複数の機能を割り当てた場合、ホームボタンをトリプルクリックすると、どの機能を選びますかという問い合わせとして「アクセシビリティオプション」の画面が表示されます。
VoiceOverのオンとオフをすぐに切り替えたい場合は、ショートカットに「VoiceOver」だけを選んでおく必要があります。



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■24-3-5 ダブルクリックして顔認証の利用「Face ID」

Face IDとApple Payの利用登録が完了していれば、サイドボタンをダブルクリックすることで、支払い画面が表示されます。

この機能は変更できます。
設定アプリを開いて、「WalletとApple Pay」→「サイドボタンをダブルクリック」のオン・オフ切り替えで変更します。

App Storeでアプリを購入する際にFace IDを利用する場合、その時にもサイドボタンのダブルクリックで顔認証できます。



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■24-3-6 長押し

Siri(音声アシスタント)の機能を呼び出すことができます。
詳しくは、
『■■チャプター10 Siri、音声アシスタントの利用について』
を参照してください。



__________目次の先頭へもどる__________
■24-3-7 5回クリック

緊急SOS画面を表示します。
設定アプリを開いて、「緊急SOS」の中で指定できます。



__________目次の先頭へもどる__________
■24-3-8 サイドボタンと音量アップボタンの同時押し

スクリーンショットを撮影します。

詳しくは、
『■25-5 スクリーンショットを撮影する』
を参照してください。



__________目次の先頭へもどる__________
■24-3-9 音量アップ、音量ダウン、サイドボタンの長押し

強制再起動します。

詳しくは、
『■■チャプター27 iPhone本体の強制再起動について』
を参照してください。



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■■チャプター25 AssistiveTouchを利用してホームボタンを利用する


iOSのアクセシビリティ機能の一つであるAssistiveTouchでは、画面をタッチしたりボタンを押すことが困難な人向けに代替手段を提供してくれます。

画面上にアイコンが表示されて、それを実行することにより「消音」や「」Siri」の機能を働かせることができます。
VoiceOver環境では、このアイコンはアシスティブタッチと読み上げられます。

ホームボタンをクリックする動作も選べるので、ホームボタンが故障しているiPhoneを使用している人にとっても有用な機能となっています。

また、ホームボタンが非搭載のiPhoneでは、より便利に使われる機能になるかもしれません。



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■25-1 カスタムアクション


iOS 11からのAssistiveTouchでは、これまでの機能に加えてカスタムアクションを割り当てて実行できるようになりました。
画面上のAssistiveTouchアイコンを実行してメニューを表示させなくても、ダイレクト操作で四つのアクションを実行できます。

  • 「シングルタップ」
    VoiceOver環境では、1本指のダブルタップ。


  • 「ダブルタップ」
    VoiceOver環境では、1本指のトリプルタップ。


  • 「長押し」
    VoiceOver環境では、1本指のダブルタップ&ホールド。


  • 「3D Touch」


それぞれのアクションに対して実行できる項目を割り当てるには、
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「AssistiveTouch」と進み、
「カスタムアクション」の欄で選択します。

次のアクションが選択可能です。

  • ・「なし

  • ・メニューを開く

  • ・ホーム

  • ・通知

  • ・Siri

  • ・コントロールセンター

  • ・画面をロック

  • ・音量を上げる

  • ・音量を下げる

  • ・消音

  • ・アクセシビリティショートカット

  • ・シェイク

  • ・Appスイッチャー

  • ・スクリーンショット

  • ・画面の向きをロック

  • ・ピンチ

  • ・3D Touch

  • ・ダブルタップ

  • ・SOS

  • ・解析

  • ・簡易アクセス

  • ・再起動

  • ・ApplePay

  • ・画面の読み上げ

  • ・そのままAppに伝える



たとえば、
シングルタップに「ホーム」を指定すれば、1本指のダブルタップでホーム画面が表示されます。

ダブルタップに「Appスイッチャー」を指定すれば、1本指のトリプルタップでアップスイッチャーが表示されます。



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■25-2 AssistiveTouchアイコンの場所を移動する


AssistiveTouch機能をオンにすると画面上にアイコンが表示されますが、その位置はデフォルトでは画面の右下です。
VoiceOver環境では、1本指の右スワイプや左スワイプではそのアイコンに移動することはできません。
画面にタッチして、指を滑らせて見つけてください。

アイコンの場所を移動させることができます。
1本指のダブルタップ&ホールドで移動できるモードに入ります。
すぐに効果音が聞こえるので、移動モードに入ったことを確認できます。
画面に付けたままの指を移動先に滑らせていき、好みの場所で指を画面から離します。

これで移動は完了です。



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■25-3 VoiceOver環境で使用している場合の注意点


VoiceOverカーソルがAssistiveTouchのアイコンの箇所にいる状態では、別の項目に移動するのに工夫が必要です。タッチジエスチャーでは、1本指の左スワイプや右スワイプによる項目移動ができないのです。したがって、画面の任意の箇所をタッチして、AssistiveTouchのアイコンから離れる必要があります。

VoiceOver環境で外付けキーボードを利用している場合も同じです。カーソルキーによる移動ができなくなります。

フォーカスしたままのAssistiveTouchアイコンから離れるには、一つの方法として、
コントロールセンターを表示させます。
次にエスケープで元の画面に戻ります。

コントロールセンターを表示させるためのキーボードショートカットは、
コントロール + オプション + ページダウン



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■■チャプター26 3D Touch


iPhone 6sからは画面を押し込んで操作できる3D Touchの機能が搭載されています。
iPhoneのモデルによっては3D Touchの機能は搭載されていません。

アプリを起動しなくてもプレビュー画面を覗き見ることのできるPeekや、目的の操作をすぐに開くことのできるPopの動作を実行できます。

画面に軽くタッチしている1本の指を、画面の中に軽く押し込むような仕草です。
2段階の押し込みを感知します。
たとえば、砂の表面に指を置き、軽く押し込んで表面を凹ませる。2段階目は、そこからさらに凹ませる。そんな感じの仕草となります。


手間をかけないで機能を実行するために、3D Touchによるクイックアクションが用意されているアプリもあります。

たとえばホーム画面上のカメラアプリのアイコンをフォーカスした状態で3D Touchを行うと、メニューの中には自分撮りをするために「セルフィーを撮る」という項目が表示されます。


また、ホームボタンのあるiPhoneの場合、アップスイッチャーの画面を表示させることができます。
ホーム画面でも、他のアプリが起動している画面でも、画面の左端で3D Touchを行ないます。
ホームボタンのダブルクリックの代わりに活用できます。


3D touchのオン・オフ切り替えや感度の変更をすることができます。
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「3D Touch」の中で変更できます。



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■■チャプター27 iPhone本体の強制再起動について


いろいろなアプリを実行していると、iPhoneの動きが遅くなってしまうことがあります。また、VoiceOverの反応が遅くなることもあります。
そんな時にはiPhone本体の強制再起動が有効な解決方法となります。

ただし、再起動された後は最初のホーム画面が表示されるので、書きかけのメールや閲覧中のページは見れなくなってしまうかもしれませんので頭に入れておいてください。


強制再起動の操作はiPhoneのモデルによって異なります。


  • ●「スリープボタンと音量ダウンボタンの同時長押し」
    ホームボタンが物理式ではないiPhone 7で行う手順です。
    スリープボタンを押してから音量ダウンボタンを押して、二つのボタンを押したまま10秒ほど待ちます。
    しばらくすると電源がオフになりますが、数十秒すれば自動的に電源がオンになりロック解除ボタンが表示されます。



  • ●「スリープボタンとホームボタンの同時長押し」
    iPhone SEのようにホームボタンが物理式のiPhoneで行う手順です。
    スリープボタンとホームボタンを同時に押したまま10秒ほど待ちます。
    しばらくすると電源がオフになりますが、数十秒すれば自動的に電源がオンになりロック解除ボタンが表示されます。



  • ●「音量アップ、音量ダウン、サイドボタンの長押し」
    ホームボタンのないiPhoneで行う手順です。
    音量アップを1回クリック、次に音量ダウンを1回クリック、次にサイドボタンを10秒ほど長く押し続けます。
    しばらくすると電源がオフになりますが、数十秒すれば自動的に電源がオンになりロック解除ボタンが表示されます。



iPhoneが再起動した後のロック解除画面では、タッチIDやフィスIDによるロック解除の操作はできません。パスコードを入力する必要があります。

もし1分ほど待ってもロック解除ボタンが表示されなければ、それは完全に電源がオフになった状態です。スリープボタンまたはサイドボタンを2秒ほど長押し、つまり通常の電源をオンにする操作を試みてください。

強制再起動の操作をすると画面にはアップルロゴが表示されるので、それが表示された時点でボタンから指を離せばうまく処理が進行します。面の見えないユーザはそれを確認できないので、ボタンを押し続けている時間が短すぎたり長すぎたりすると、単純に電源がオフになってしまうのです。

スリープボタンと音量ダウンボタンの同時押しの手順では、操作によっては再起動後に音量が0になっている場合があります。
ホームボタンにタッチするとクリックの感覚があるので電源がオンになっているはずなのにVoiceOverの音声が出ない場合、音量を上げてみてください。



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■■チャプター28 VoiceOverで動画コンテンツの字幕を読み上げさせる「メディア説明サービス」


iOS 11からは、VoiceOverで動画コンテンツを再生している時に表示されているクローズドキャプション(CC)を読み上げることができるようになりました。
また、点字ディスプレイに表示させることもできます。

Apple Music内のビデオコンテンツや、iTunes Storeで販売・レンタルされている映画では、日本語CCと英語CCが読み上げられることを確認できました。

聴覚障碍者向けの字幕として、CCの代わりにSDHという表記がされていることもあります。


日本語の吹き替え音声が提供されているビデオを視聴するとき、日本語の字幕を読み上げさせてもあまりメリットを感じることはないでしょう。
しかし、外国語の音声しか選べないビデオを再生させる時、日本語の字幕をVoiceOverが読み上げてくれると、それは大いに役に立ちます。

たとえば、Apple Musicで配信されている『Carpool Karaoke』の場合、日本語の音声は提供されていません。
そんな時にメディア説明サービスで日本語字幕を読み上げさせる、そんな使い方ができるわけです。


Apple MusicやiTunes Store内のビデオタイトルでは、再生画面の中で「代替トラック」のボタンを実行することで、音声字幕オプションが表示されます。
日本語CC、日本語SDHが選べるようになっていれば、それを選択状態にします。

ちなみに、
ADとは、Audio Descriptionの略です。
SDHとは、Subtitles for the Deaf and Hard of Hearingの略です。
CCとは、Closed Captionの略です。


事前準備として、クローズドキャプションを表示させる設定にしておく必要があります。
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「字幕とキャプション」の中で、
「クローズドキャプション+SDH」のオン・オフ切り替えボタン
この箇所をオンにしておきます。

CCやSDHは耳の聞こえにくい人向けに字幕を表示させるサービスですが、俳優のセリフだけでなく音風景を文字で表現したり、シーンの説明も加えられています。


リアルタイムに読み上げられる内容は、VoiceOverのカーソル移動では確認することはできません。
直前に読み上げられた内容については、4本指のダブルタップをすることで、クリップボードにコピーできます。

音楽や人の声の音量が大きすぎてVoiceOver読み上げが聞き取りにくい場合、オーディオダッキングをオンにしておくとよいでしょう。
オーディオダッキングとは、VoiceOverがしゃべっている間だけ、音楽などの音量を自動的に下げてくれる機能です。
ローター・カテゴリーに追加しておくといつでも切り替えることができます。


クローズドキャプションの文字情報を点字ディスプレイに出力させた場合、そのシーンに合わせて点字表示も切り替え表示されます。
点字出力を利用すれば、英語の語学学習に活用できるかもしれません。
文字の流れが速いのですべてを点字で読むというのは難しいかもしれませんが、この機能は盲聾の人たちにとっては動画を楽しむ新しい方法になることが期待されます。



__________目次の先頭へもどる__________

■28-1 VoiceOverにクローズドキャプションの文字情報を読み上げさせる手順


VoiceOverの設定メニューの中で指定しておくことができます。
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「詳細度」と進み、
「メディアの説明サービス」の中で指定できます。
  • ・オフ

  • ・読み上げ

  • ・点字

  • ・スピーチと点字

目的の箇所を選択状態にしておきます。



__________目次の先頭へもどる__________

■■チャプター29 点字画面入力


iOS 8からは点字画面入力という機能が加わりました。
六つの点で構成されている点字の特長を生かし、6本の指でタッチして文字入力を行おうという機能です。
画面に表示されているキーボード上の文字を選ぶ必要はないので、慣れればストレス無くスピーディーに文字入力できる可能性があります。

ただし、2018年12月現在、日本語の文字入力においては実用的には使えません。
英語の文字入力においては実用レベルで使えます。

文字入力の場面で表示されているオンスクリーンキーボードの種類が日本語になっていれば、点字画面入力で日本語ひらがなをタイプすることができます。
漢字などへの変換はできません。

また、iPhoneでは、6点の同時入力は認識しません。
同時に認識する指の数は5本までのようです。
日本語点字の6点をすべて必要とする「め」の文字を入力する場合は、同時にタップするのではなく、少しタイミングをずらす必要があります。

iPadでは、6点の同時入力ができます。

テキストフィールド内での文字入力以外でも、次のような場面で活用することができます。

  • 1. パスコード入力を含めたテキストフィールドで、点字画面入力に対応した文字、数字、記号を入力できます。
    (日本語環境でも可)



  • 2. ホーム画面で文字を入力すると、その文字から始まるアプリ名だけを表示して、1本指の上か下スワイプで移動できます。
    ホーム画面が複数のページに分かれていても、すべてのアプリ名が対象となります。
    (日本語環境でも可)



  • 3. サファリなどでウェブページを表示している画面では、用意されている文字を入力すると、特定の要素の箇所だけを1本指の上か下スワイプで移動できます。
    たとえば、「l」はリンク、「b」はボタンです。
    (日本語環境では不可)




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■29-1 点字画面入力をするための準備と注意点


点字画面入力を使ってみたい人は、VoiceOverのローター・カテゴリーに「点字画面入力 Braille Screen Input」を追加します。
点字画面入力ができる場面では、ローター操作で「点字画面入力」が選べます。
そのカテゴリーに合わせると、実際に点字の入力方式で文字入力ができます。

ただし、点字画面入力できる状態では、VoiceOverの一般的なジェスチャーが利用できません。一般的なVoiceOverのジェスチャーを使いたい時には、ローター操作で「点字画面入力」以外のカテゴリーに合わせる必要があります。
あるいはスクラブのジェスチャーを利用してモードを切り替えます。



__________目次の先頭へもどる__________

■29-2 ホールドモードとテーブルモード、iPhoneの持ち方について


iPhoneで点字画面入力の状態にすると、横向き表示の画面に切り替わります。そして、二つのスタイルで点字入力することができます。
机の上に置く場合はテーブルモード。
写真撮影のように両手で抱えて持つ場合はホールドモードです。

画面サイズの小さなiPhoneで点字入力をする場合、ホールドモードが都合よいかもしれません。
両手の親指と小指でiPhone本体を持ち、残りの6本の指で点字入力します。
パーキンスブレーラーのように指を横にそろえるのではなく、縦に配置します。

昔の点字の達人は点字の本を読む時に、お腹に背表紙を宛てて本を縦に持って読んでいたそうです。
iPhoneをお腹に宛ててホールドすると、安定した点字入力ができそうです。

iPadではテーブルモードにすると、パーキンスブレーラーのように指を横に配置して入力することができます。


さて、持ち方を決めたら、今度は点の位置を調整します。
調整した点の位置を頭に入れて、文字入力するわけです。

ホールドモードの場合、まずは右側の指3本を同時にタップして、すぐさま左側の指3本で同時にタップします。
テーブルモードの場合は、左側の指3本でタップしてから、すぐさま右側の指3本でタップします。

点の調整が正常に行われたら、
「点の位置を調整しました」という読み上げを確認できます。

ホールドモードの場合、
1の点が左手人差し指。
2の点が左手中指。
3の点が左手薬指。
4の点が右手人差し指。
5の点が右手中指。
6の点が右手薬指。


テーブルモードの場合、
1の点が右手人差し指。
2の点が右手中指。
3の点が右手薬指。
4の点が左手人差し指。
5の点が左手中指。
6の点が左手薬指。



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■29-3 点字画面入力モードで利用できるジェスチャー


ローター操作で「点字画面入力 Braille Screen Input」の項目に合わせると、文字や数字を入力できるだけでなく、専用のジェスチャーが利用できます。

VoiceOverの操作練習の画面では、点字画面入力で利用可能なジェスチャーを練習することができます。
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「VoiceOverの操作練習」と進みます。

VoiceOverの操作練習の画面では、最上部に「一般」、「手書き」、「点字」の切り替えボタンが用意されています。
ここを選択状態にすることで、それぞれのジェスチャーを練習することができるようになっています。

点字画面入力ジェスチャーの練習を終えたら、「一般」ボタンを実行しておくことをお勧めします。
ここで「点字」を選んだままにしておくと、4本指のダブルタップでジェスチャー練習モードに入った時、「点字」のジェスチャーだけが練習できる状態になるからです。
その場合、練習モードから抜け出すには4本指のダブルタップは利用できないので、スクラブのジェスチャーを実行する必要があります。


  • 1. 3本指の右スワイプ、もしくは3本指の左スワイプ
    入力方式を6点式と2級英語点字に切り替えます。
    6点式の場合、文字入力と同時にその文字が読み上げられます。
    2級英語点字の場合、たとえば「p」を入力した後に1本指の右スワイプを行うと、「people」とスペースが入力されます。
    この時は「p」という文字入力の際には音声読み上げはなく、1本指の右スワイプをした後で「people」が読み上げられます。



  • 2. 1本指の右スワイプ
    スペースを挿入します。



  • 3. 1本指の左スワイプ
    最後に入力した文字を削除します。
    キーボードのバックスペースキーと同じ働きです。



  • 4. 2本指の右スワイプ
    改行、もしくはリターンキーの実行。
    ホーム画面では、アプリを実行します。



  • 5. 2本指の下スワイプ
    2級英語点字を入力する状態では、文字をタイプした後にこのジェスチャーを行うと、フルスペルに訳してくれます。
    たとえば「p」をタイプした後で2本指の下スワイプを行うと、「people」と訳します。
    この時は「p」という文字入力の際には音声読み上げはなく、2本指の右スワイプをした後で「people」が読み上げられます。スペースキーを入れたくない時に使うと便利でしょう。



  • 6. 1本指の上スワイプ、もしくは1本指の下スワイプ
    テキストフィールド内で文字を入力している時は、スペル候補を選択します。
    ホーム画面では、アプリ間を移動します。文字入力すると、その文字で始まるアプリだけを絞込み表示させて移動できます。
    ウェブ上では、要素間を移動します。たとえば「l」の文字を入力後だと、リンクの要素だけを移動することができます。




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■■チャプター30 手書き入力について


iOS 7からは手書き入力という機能が加わりました。
画面に表示されているキーボード上の文字を選ぶ必要はないので、慣れればストレス無く文字入力できる可能性があります。

ただし、2018年12月現在、日本語の言語環境では実用的には使えません。

対応している言語環境では、テキストフィールド内での文字入力以外でも、次のような場面で活用することができます。

言語環境が英語の場合、

  • 1. パスコード入力を含めたテキストフィールドで、手書き入力に対応したアルファベット文字の大文字、小文字、数字、句読点が入力できます。



  • 2. ホーム画面でアルファベットを入力すると、その文字から始まるアプリだけを表示して、ジェスチャー操作で移動できます。



  • 3. サファリでウェブページを表示している画面では、用意されている文字を入力すると、特定の要素の箇所だけをジェスチャー操作で移動できます。
    たとえば、「l」はリンク、「b」はボタンです。



iOSの言語環境を英語に切り替えて試したい人は、次の手順を行ってください。
たとえば、アメリカ英語の環境に変更する場合、
「設定 Setting」アプリを開いて、「一般 General」→
「言語と地域 Language & Region」と進みます。
この中の
「iPhoneの使用言語 iPhone Language」を「English」に、
「地域 Region」を「アメリカ合衆国 United States」に変更します。
言語環境の切り替えには少し時間がかかります。

日本語環境に切り替えたいときには、上記の手順の中で、「Japanese 日本語」を選んでください。



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■30-1 手書き入力をするための準備と注意点


手書き入力を使ってみたい人は、VoiceOverのローター・カテゴリーに「手書き Handwriting」を追加します。
手書き入力ができる場面では、ローター・カテゴリーの中に「手書き Handwriting」が現れます。
そのカテゴリーに合わせると実際に手書き入力することができます。

ただし、手書き入力できる状態では、VoiceOverの一般的なジェスチャーが利用できません。一般的なVoiceOverのジェスチャーを使いたい時には、ローター操作で「手書き Handwriting」以外のカテゴリーに合わせる必要があります。
あるいはスクラブのジェスチャーを利用してモードを切り替えます。



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■30-2 手書き入力モードで利用できるジェスチャー


ローター操作で「手書きHandwriting」のカテゴリーに合わせると、文字や数字を入力できるだけでなく、専用のジェスチャーが利用できます。

VoiceOverの操作練習の画面では、手書き入力で利用可能なジェスチャーを練習することができます。
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「VoiceOverの操作練習」と進みます。

VoiceOverの操作練習の画面では、最上部に「一般」、「手書き」、「点字」の切り替えボタンが用意されています。
ここを選択状態にすることで、それぞれのジェスチャーを練習することができるようになっています。

手書きジェスチャーの練習を終えたら、「一般」ボタンを実行しておくことをお勧めします。
ここで「手書き」を選んだままにしておくと、4本指のダブルタップでジェスチャー練習モードに入った時、「手書き」のジェスチャーだけが練習できる状態だからです。
その場合、練習モードから抜け出すには4本指のダブルタップは利用できないので、スクラブのジェスチャーを実行する必要があります。


  • 1. 3本指の上スワイプ、もしくは3本指の下スワイプ
    入力できる文字の種類を切り替えます。
    英語の場合だと、「Lowercase 小文字」、「Uppercase 大文字」、「Numbers 数字」、「Punctuation 句読点」の4種類です。
    文字の種類を指定してから、手書き入力を始めるわけです。
    入力した文字が認識されると、その文字を読み上げてくれます。



  • 2. 2本指の左スワイプ
    最後に入力した文字を削除します。
    キーボードのバックスペースキーと同じ働きです。



  • 3. 2本指の右スワイプ
    空白を挿入。



  • 4. 3本指の右スワイプ
    リターンキーを押します。



  • 5. 2本指の上スワイプ、もしくは2本指の下スワイプ
    テキストフィールド内で文字を入力している時などは、もし認識された文字が自分が意図した文字と違う場合、このジェスチャー操作により、別の文字に置き換えることができます。

    また、サファリでウェブページを閲覧中には、特定の文字を入力後、このジェスチャーにより、その文字に割り当てられた要素に移動します。たとえば「l」の文字を入力後だと、リンクの要素だけを移動することができます。
    ホーム画面では、文字入力後にその文字から始まる名前のアプリだけが絞込み表示されますが、このジェスチャーにより、それらのアプリに移動できます。




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■■チャプター31 画面のズーム、白黒反転


アクセシビリティの項目の中に「ズーム」があります。これはどのアプリを開いている時でも画面の拡大操作ができるので、ロービジョンの人にとっては便利な機能です。iOS 6になってVoiceOverとズームの機能はいっしょに使うことができるようになりました。

設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「ズーム機能」の中に入ります。
「ズーム機能」をの項目オンにします。

ズーム領域は選べるようになっており、画面全体を拡大させる場合はフルスクリーン、一部の画面を拡大させたい場合はウインドーズームを指定しておきます。

コントローラを表示させておくと、3D Touch機能が搭載されたiPhoneでは、画面上のコントローラを3D Touchで押し込むことにより、その部分が拡大されます。
そのコントローラを押し込んだままドラッグさせるとズームウインドーを移動できます。


ズーム機能で使用するジェスチャーは次の三つです。

  • 1. ●「3本指のダブルタップ」
    3本の指で画面をトン・トンと素早く2回たたきます。
    これでズームのオン・オフが切り替わります。
    しかし、音声での読み上げがないため、ズームがオンになっているのかどうかは耳で確認することはできません。



  • もしズームがオンになっていないと、以下の二つの操作はできません。

    2. ●「3本指のダブルタップ&ホールド&ドラッグ」
    3本の指で画面をトン・トンと素早く2回たたきますが、2回目のタップでは指を離さず画面につけた状態にします。
    そこから上に指を滑らせていくと拡大率が上がります。
    指を下に滑らせると拡大率は下がります。
    ここでも音声の案内はありません。
    この操作で拡大率が切り替わらない場合、ズームモードがオフになっているかもしれません。1.の操作を繰り返してみてください。



  • 3. 3本指のドラッグ
    3本指を同時に画面にタッチして、上下左右に指を滑らせます。拡大範囲が切り替わります。


ズームモードをオフにすると通常の文字サイズで表示されます。一度設定した倍率は記憶されているので、再びズームモードをオンにするとその大きさで表示されます。



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■31-1 VoiceOverとズームを併用する時の注意点


VoiceOverとズームの機能を同時に使用していると、一部のジェスチャー操作が異なります。

音声読み上げのオンとオフの切り替えは、3本指のトリプルタップになります。

スクリーンカーテンのオンとオフの切り替えは、3本指の4回タップになります。

読み上げた内容をペーストボードにコピーするには、3本指の5回タップになります。



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■31-2 標準ジェスチャーによる拡大操作


すべてのアプリで使用できるわけではないですが、写真や地図を表示している時に目的の部分を拡大します。VoiceOverがオフの時に実行できます。

●「ピンチアウト」
2本の指を同時に拡大したい画面の場所にタッチします。そして、指と指の間を離していきます。
たとえば、アルファベットのOからCへ変化させていくイメージです。
これによりその部分が拡大されます。

●「ピンチイン」
先ほどと逆の操作です。CからOへ、指をくっつけるように近づけていくと拡大率が下がります。

たとえばマップで地図を表示している時、このピンチアウトのジェスチャーでは文字は拡大されないようです。

アクセシビリティのズーム機能を利用すると文字を大きくできます。



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■31-3 白黒反転


iOSでは、画面の白黒表示、色反転をすることができます。

白黒表示にするには、
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「ディスプレイ調整」→「カラーフィルタ」の中に入ります。
「カラーフィルタ」の切り替えボタンをオンにすることで選択肢が表示されます。

「グレイスケール」の箇所を1本指でダブルタップして選択状態にします。
これにより、画面は白黒表示に切り替わります。


色を反転させるには、
設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「ディスプレイ調整」→「色を反転」の中に入ります。

「反転クラシック」をオンにすると、単純に文字と背景の色が反転します。
「反転スマート」をオンにすると、反転してほしくない画像などはそのままの色で表示されます。



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■31-4 拡大鏡


iOS 10から「拡大鏡」という機能が加わりました。
ホームボタンをトリプルクリックすることで、背面カメの映像を15倍まで拡大させて見ることができます。

設定アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「拡大鏡」の中に入り、
「拡大鏡」をオンにします。

ホームボタンのトリプルクリックで拡大鏡の機能が呼び出せます。
元の画面に戻るには、ホームボタンをシングルクリックします。

ホームボタンのトリプルクリックでVoiceOverのオンとオフを切り替える必要のない人にとっては、都合のよい機能だと言えるでしょう。

拡大鏡の画面では、ズーム調整、フラッシュの切り替え、フィルタ調整などができます。
「フリーズフレーム」ボタンを実行すれば、表示中の画面をスナップショットのように制止させて観ることもできます。

フリーズフレームの状態から元に戻すには、アップスイッチャーから拡大鏡を閉じる必要があります。

また、フリーズフレームの画像は保存することもできるようになっています。
ローター・カテゴリーを「アクション」に合わせて、メニューの中から「イメージを保存」を実行します。
カメラロールに保存されます。


拡大鏡はコントロールセンターの中から呼び出せるように設定できます。
『■18-2 コントロールセンターで呼び出せる機能を追加する』
を参照してください。



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■■チャプター32 iPad特有の操作法


このチャプターで紹介する内容はiPhoneでは利用できません。

iPadをVoiceOver環境で使う場合、同じジェスチャーを利用することができますが、iPadでのみ使えるジェスチャーも存在します。
また、iPhoneと同じアプリをインストールして使うこともできますが、レイアウトが異なっているアプリもあります。
たとえば、設定アプリは画面の左側にメインメニューを表示して、右側にサブメニューを表示するというレイアウトになっています。

画面分割されているアプリの場合、1本指の右スワイプや左スワイプでそれぞれの画面の項目を行き来できません。それぞれの画面のエリアにタッチしてどんな項目が並んでいるかを確認する必要があります。
分割された画面のエリアを移動するには、ローター・カテゴリーの「コンテナ」に合わせて1本指の下スワイプか上スワイプをするとよいでしょう。

Bluetoothキーボードで操作する場合、iPhoneよりも多くのショートカットキーが用意されているのも特徴です。

また、iPadにもホームボタンのあるモデルとないモデルがあります。
2018年11月に発売されたiPad Proにはホームボタンが非搭載となり、電源コネクタがLighteningからUSB Type-Cに変更されました。

ホームボタンの有り無しにかかわらず、
  • ・ホーム画面を開くジェスチャー

  • ・アップスイッチャーを開くジェスチャー

  • ・コントロールセンターを開くジェスチャー

  • ・通知を開くジェスチャー

それらはホームボタンのないiPhoneと同じジェスチャーが利用できます。
ただし、iPadにはバイブレーション機能が搭載されていないので、VoiceOver環境でアップスイッチャーを開くジェスチャーをする時には、振動ではなく効果音を頼りにします。

ここで紹介している内容はiPad Air2で確認していますが、iPadのモデルによって違いがあるかもしれません。



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■32-1 iPad特有のジェスチャー


VoiceOverがオンでもオフでも利用できるジェスチャーが用意されています。

設定アプリを開いて、「一般」→「マルチタスクとDock」→「ジェスチャー」の項目がオンになっている必要があります。

●「5本指のピンチイン」
ホーム画面を開きます。
親指と残り4本指との間を広げて画面にタッチして、それらの指をピンチイン、くっつけます。


●「5本指のピンチアウト」
アップスイッチャーを表示します。
親指と残り4本の指をくっつけて画面にタッチして、親指とその他の4本指との間を広げます。


●「4本指の右スワイプか左スワイプ」
アプリを切り替えます。


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■32-2 iPadでの「Dock」の利用、「スライドオーバー」と「スプリットビュー」


iOS 9から加わった機能ですが、対応するiPadであれば、スライドオーバーとスプリットビューという機能を利用することができます。

iOS 11からはその操作方法がことなります。
また、呼び出せるアプリは、ホーム画面の下に表示されているDockの箇所に配置しておく必要があります。
それに伴って、Dockの役割も変わりました。

iPadでは、ドラッグ&ドロップの操作でファイルや写真の移動を容易にできるようになりました。
たとえばスプリットビューで写真アプリとメールアプリを表示させていれば、写真データをドラッグして新規メール作成の画面にドロップすることで、簡単に添付データ付きのメールを作成することもできます。


  • 「Dock」
    ホーム画面の下に位置しています。
    ホーム画面のページを切り替えても、Dockに配置されているアプリはいつでも確認することができます。
    iOS 11では、アプリを開いていても、ジェスチャー操作でDockのアプリ一覧を表示させることができるようになりました。



  • 「Slide Over、スライドオーバー」
    あるアプリを開いている時に、いつでも別のアプリを呼び出して表示させることができます。
    たとえば、メールの本文を読んでいて調べたい単語がある場合、辞書アプリを呼び出して単語検索するといった使い方ができます。
    その場合、画面上では、メールは後ろに、呼び出された辞書アプリは前に、表示されます。

    スライドオーバーで表示されるアプリのことをサイドアップと呼んでいます。
    VoiceOver環境では、表示されたサイドアップは画面の右側で確認できます。



  • 「Split View、スプリットビュー」
    一つの画面に二つのアプリを同時に表示させて使用することができます。
    たとえば、左側の画面にSafariアプリを表示させておき、
    右側の画面でメモアプリを開いておくという使い方です。



スライドオーバーとスプリットビューをを利用するためには、
設定アプリを開いて、「一般」→「マルチタスクとDock」→「複数のAppを許可」の項目がオンになっている必要があります。



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■32-2-1 iPadでのDockの働き

ホーム画面ではアプリのアイコンが一覧表示されていますが、画面の下のエリアはDockと呼ばれています。
ホーム画面のページを切り替えても、Dockに配置されているアプリはいつでも表示されているので、よく使うアプリはここに配置しておくと便利です。

iOS 11では、アプリを開いていても、ジェスチャー操作でDockのアプリ一覧を表示させることができるようになりました。

●「画面の下端から上スワイプして下スワイプ」
画面の下端から1本指で上スワイプします。
2回目か3回目の効果音を確認したら、画面につけたままの指を素早く指を下スワイプします。
ブーンという効果音が聞こえて、画面の最下行にドックのアプリ一覧が表示されます。

VoiceOverがオフの時の標準ジェスチャーは、画面の下端から1本指で上スワイプです。
ホーム画面を開くジェスチャーと同じですが、ドックのアプリが表示されたら画面から指を離します。

ドックを非表示にするにはスクラブのジェスチャーを利用できます。


Dockに配置できるアプリの数は15個です。
また、最近使った三つのアプリは履歴表示されます。


ホーム画面で、アプリをDockのエリアに移動するには、ドラッグ&ドロップの操作を利用します。
詳しくは、
■■チャプター16 ホーム画面でのアプリの削除と移動、フォルダ管理 「ドラッグ&ドロップ」
を参照してください。



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■32-2-2 スライドオーバー

あるアプリを開いていて、いつでもDockに配置されているアプリを呼び出したい時に活用できます。

対応しているiPadは、
iPad Pro、iPad Air 以降、iPad mini 2 以降です。
(2018年12月現在)



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■32-2-2-1 Dockにあるアプリをスライドオーバーで呼び出す

アプリが開いている状態で、まずはDockを表示させます。
呼び出したいDockアプリの名前を読み上げさせます。
1本指の下スワイプか上スワイプでアクション・メニューを確認できます。
「スライドオーバーを開く」を実行すると、そのアプリはスライドオーバーで表示されます。

もしアクションメニューを確認できない場合は、ローター操作で「アクション」のカテゴリーに合わせる必要があります。
また、スライドオーバーに対応していないアプリもあるので、その場合は「サイドアップを開く」という項目は含まれていません。

画面上では、スライドオーバーされたアプリは前側に、元のアプリは後ろ側に表示されます。
VoiceOver環境では、呼び出されたアプリは画面の右側か左側に表示されるので、それぞれのアプリの箇所をタッチしてフォーカスすることで、二つのアプリを使い分けることができます。



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■32-2-2-2 Dockを開かずにアプリをスライドオーバー表示させる

直前にサイドアップとして呼び出したアプリであれば、Dockを表示させなくてもスライドオーバーで表示させることができます。

VoiceOverがオフの時の標準ジェスチャーは、画面の右端から1本指で左スワイプです。
VoiceOver環境では、この操作は確認できませんでした。



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■32-2-2-3 サイドアップを閉じる

スライドオーバーで開いたアプリの画面内にはコントローラのボタンが表示されます。
場所はそのアプリのウインドーの左上端です。
VoiceOver環境では、1本指の左スワイプや右スワイプではその項目に移動できません。
画面に指をつけて滑らせながら見つけてください。

コントローラにVoiceOverカーソルをフォーカスさせて、1本指で上スワイプか下スワイプを行うと、アクションメニューが読み上げられます。
そのアプリを閉じる、画面の反対側に移動の操作をすることができます。

コントローラが見つからない場合は、アップスイッチャーから元のアプリを閉じて再び開いてください。
そうすることで、スライドオーバーさせたアプリを非表示にできます。



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■32-2-3 スプリットビュー、二つのアプリを表示する

画面を左右分割して、二つのアプリを表示させます。

すべてのアプリがスプリットビューに対応しているわけではありません。
二つのアプリの間にはスプリットビュー分割線が表示されています。
タッチしたままの指を画面の片側から反対方向に向けて滑らせていくと、効果音が聞こえて、分割線の存在をVoiceOverは読み上げてくれます。

対応しているiPadは、
iPad Pro、iPad Air 2 以降、iPad mini 4です。
(2018年12月現在)



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■32-2-3-1 Dockから二つ目のアプリを開く

アプリが開いている状態で、まずはDockを表示させます。
呼び出したいDockアプリをフォーカスします。
1本指の下スワイプか上スワイプでアクション・メニューを確認できます。
「アプリを右側にピン止め」
「アプリを左側にピン止め」
どちらかを実行すると、そのアプリは画面の片側に表示されます。

もしアクションメニューを確認できない場合は、ローター操作で「アクション」のカテゴリーに合わせる必要があります。
また、スプリットビューに対応していないアプリもあるので、その場合は「ピン止め」という項目は含まれていません。



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■32-2-3-2 一つのアプリの画面サイズを小さくする

二つのアプリを開くと、それぞれのアプリの表示サイズは均等になっています。
そのサイズを変更することができます。

VoiceOverカーソルをスプリットピュー分割線にフォーカスします。
1本指の下スワイプか上スワイプでアクション・メニューを確認できます。
「まるまるアプリを縮小」
この箇所を実行すると、該当のアプリの表示サイズが小さくなります。

もしアクションメニューを確認できない場合は、ローター操作で「アクション」のカテゴリーに合わせる必要があります。



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■32-2-3-3 スプリットビューを終了する、一つのアプリだけを表示する

スプリットビュで表示したアプリの情報は記憶されています。
再びホーム画面から開く時、アップスイッチャーから開く時、前回と同じアプリもいっしょに開いて、スプリットビューの状態で表示されます。

たとえば写真アプリとメールアプリをいっしょに開いていて、一度ホーム画面に戻ります。
ホーム画面からメールアプリを開くと写真アプリも自動的に起動して、スプリットビューで表示されます。

一つのアプリだけを全画面表示したい場合は、スプリットビューを終了させます。
二つの方法があります。

一つ目の方法は、アップスイッチャーから終了させる、
これによりスプリットビューの状態は終了するので、改めて全画面表示したいアプリを開きます。


二つ目の方法は、スプリットビュー分割線をフォーカスさせて操作します。

VoiceOverカーソルをスプリットビュー分割線にフォーカスします。
1本指の下スワイプか上スワイプでアクション・メニューを確認できます。
「まるまるアプリを拡大」
この箇所を実行すると、該当のアプリが画面全体に表示されます。

もしアクションメニューを確認できない場合は、ローター操作で「アクション」のカテゴリーに合わせる必要があります。



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■32-2-4 Bluetoothキーボードを利用する

ボイスオーバー環境でスプリットビュー機能に対応したiPadを使う場合、次のようなBluetoothショートカットが用意されています。

Command + Option + D
Dockアプリを表示する
画面の下端から上スワイプして下スワイプのジェスチャーに相当します。

Ctrl + Option + [
Ctrl + Option + ]
このショートカットを実行すると、
アプリの移動、スプリットビュー分割線への移動ができます。



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■32-3 iPadの日本語かなキーボードを携帯電話のようなテンキースタイルに変更する


iPadでも文字入力をする時に「日本語かな」のオンスクリーン・ソフトウェア・キーボードを選択することができます。
ただし、iPhoneの場合は携帯電話でおなじみのテンキースタイルなのですが、iPadでは50音がすべて表示されるスタイルです。
縦に「あ行」の「あ い う え お」が並び、横に「か行」、「さ行」が並びます。
デフォルトでは右端が「あ行」になっていますが、左端にくるように変更することもできます。

さて、このiPadの日本語かなキーボードをiPhoneと同じようにテンキースタイルのキーボードに切り替えることができます。
キーボードを分割できる設定になっていることが前提です。
設定アプリを開いて、「一般」→「キーボード」と進み、「キーボード分割」をオンにしておく必要があります。

(注意)
iPadのモデルによってはキーボードの分割には対応していないようです。


日本語かなキーボードを表示している状態でキーボードを分割します。
ジェスチャーを実行するか、ボタンを利用します。
ジェスチャーで分割する方がシンプルです。



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■32-3-1 ジェスチャーを利用する

VoiceOver環境ではスクリーンキーボードの上でスクラブのジェスチャーを行います。
このジェスチャーによってキーボードが左右に分割され、画面の右側にテンキーが表示されます。
左端にはボタン類が表示されます。

キーボードを結合する時にもスクラブのジェスチャーを行います。
これで50音順の日本語かなキーボードに変わります。



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■32-3-2 「キーボードを隠す」ボタンを長押しして上方向にドラッグ

キーボードの右下端に「キーボードを表示」ボタンが配置されています。
1本指でダブルタップ&ホールド、つまり2回タップしますが、2回目のタップでは画面から指を離さずに付けたままにしておきます。
その指を上方向に滑らせます。
関連するボタンが表示されているので、実行したいボタンの読み上げを確認できたら画面から指を離します。

「分割」 キーボードを分割します。
「結合」 キーボードを結合します。
「固定解除」 画面の下に配置されているキーボードを、画面の真ん中に配置変更します。
「固定」 画面の真ん中に配置されているキーボードを、画面の下に配置変更します。
「固定して分割解除」 画面の真ん中に配置されているキーボードを、画面の下に配置変更します。さらに分割されているキーボードを結合します。



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■■チャプター33 Touch ID(指紋認証)とFace ID(顔認証)


iPhoneをスリープ状態からロック解除する時、他人に操作されないようにするためにパスコードを設定することができるようになっています。
デフォルトでは6桁の数字でパスコードを設定します。

また、いちいち画面ロックを解除するために数字を入力するのは手間でもありますし、よりセキュリティを高めるためにも他の認証方法が用意されています。

iPhone 5sから加わったTouch IDと呼ばれる指紋認証方式では、ホームボタンがセンサーの役割を果たしています。
iPhone Xから加わったFace IDと呼ばれる顔認証方式では、ステータスバーの中央部にあるノッチの部分がセンサーとなっています。
Face IDは暗い場所でも顔を認識してくれます。


Touch IDやFace IDを利用すると便利な場面は、
  • ・画面ロックの解除

  • ・App Storeでのアプリの入手や購入

  • ・Apple Payによる支払い

  • ・アプリ内でのログイン

などです。

パスコード、指紋、顔を登録するには、
ホームボタンのあるiPhoneでは、
設定アプリを開いて、「Touch IDとパスコード」の中で作成します。

ホームボタンのないiPhoneでは、
設定アプリを開いて、「Face IDとパスコード」の中で作成します。


まずはパスコードを作成してから指紋と顔を登録します。
デフォルトは6桁の数字を設定するようになっていますが、パスコードの作成途中で、「パスコードオプション」を実行すると、4桁の数字でも作成することができます。
Touch IDとFace IDを登録していたとしても、iPhoneの再起動時などにはパスコードを入力する必要があります。
パスコードは忘れないようにしてください。

Touch IDでは5種類の諮問を登録できます。
Face IDでは2種類の顔を登録できます。

「Face IDではセキュリティをより高くするために、画面を注視するようになっています。
視覚障害があると注視することが難しい場合があるので、注視の機能はオフにできるようになっています。
VoiceOver環境でFace IDを登録すると、自動的に中止機能はオフになります。

もしオンにしたければ、
「Face IDを使用するには注視が必要」の切り替えボタンでいつでも変更できます。



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■33-1 Touch IDとFace IDを登録するときのコツ


指紋や顔を登録する時には、VoiceOverがすべて音声で案内してくれます。

Touch IDを登録する作業では、センサーであるホームボタンの上に指の腹を当てておくことになります。
音声ガイダンスは、指をあてて、指を離して、などと案内してくれます。
グリップを認識する作業では、指の腹の端から端がセンサーで認識されるように、指の腹をクルリと転がすようにしてみるとよいでしょう。

そして、濡れた指では作業を行なわないでください。
ホームボタンは軽く触れておくだけで、けして押し込んではいけません。


Face IDを登録する作業では、iPhoneのディスプレイを顔に向けて、自分の顔を上下左右に動かしたり回すことになります。
顔が認識されているかどうかは、音声ガイダンスが、顔が枠に入っているかどうかを教えてくれます。

iPhone本体を顔の中心、鼻の前あたりに置いて、そこから腕を伸ばして距離を開くとよいでしょう。



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■33-2 画面ロックを解除する操作


ホームボタンのあるiPhoneでは、指紋を登録した指をホームボタンに当ててクリックします。
ロック解除ボタンが表示されているのであれば、ホームボタンを押し込まずにタッチするだけでかまいません。

ホームボタンのないiPhoneでは、iPhoneがスリープ状態であれば、まずは画面ロックを解除する画面を表示させます。
サイドボタンのシングルクリックや画面をタッチすることで、ロック解除の画面が現れます。
次に顔を認識させますが、肘を伸ばした程度の距離でも認識してくれます。
顔の中心の延長線上にiPhone本体(ディスプレイ側)があれば大丈夫でしょう。
慣れないうちはiPhone本体を動かしたり、自分の顔を左右に動かしたりしてみてください。

Face IDで画面ロックが解除されたことは効果音で確認できます。
ホーム画面を開くには、画面の下端から1本指で上スワイプするジェスチャーをする必要があります。



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■33-3 App Storeでアプリを入手・購入する操作


App Storeなどでアプリを入手したり購入する時にはApple IDのパスワード入力が求められます。
その代わりとしてTouch IDやFace IDを利用することができます。

認証を求められたらTouch IDの場合は、ホームボタンに登録済みの指をタッチするだけの操作です。
Face IDの場合、まずはサイドボタンを2回クリックする必要があります。
クリックした後に顔を認識させてください。



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■33-4 Apple Payでの支払い


日本のコンビニや鉄道の改札機に携帯電話をタッチして支払いを行う「おサイフケータイ」機能がiPhoneで使えるようになったのは、2017年に発売されたiPhone 7からです。

Apple Payの利用登録をしておくと、日本ではSuica、QUICPay、iDとしてお店で支払うことができます。

Apple Payの支払い画面を呼び出す方法は、
ホームボタンのあるiPhoneでは、スリープ状態でホームボタンを2回クリックします。
ロックが解除されているとアップスイッチャーが開くので注意する必要があります。

帆無ボタンのないiPhoneでは、サイドボタンを2回クリックします。
そのあとに顔を認識させます。
スリープ状態でも、ロックが解除されている状態でもかまいません。



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■■付録1 よもやま話



■付録1-1 iPhoneとは


iPhoneとはスマートフォンと呼ばれる高機能携帯電話の一種ですが、アップル社が開発したiOSというOSで動作しています。電話としての機能はもちろんですが、様々な目的に特化したアプリをインストールして利用できるのが魅力です。

iOSで動いているデバイスにはiPadやiPod touchなどがあります。そして、このiOSには視覚・聴覚・肢体の障害を持つユーザーでも使いやすくするためのアクセシビリティ機能が標準で搭載されているのです。
その機能の一つが音声読み上げを実現してくれるVoiceOverなのですが、Windows PCでいうところのスクリーンリーダーに相当します。

iPhoneは2007年に最初のモデルが登場し、その後は1年に1回のペースで新しいモデルが発表されています。
2007年に初代モデル、
2008年にiPhone 3G、
2009年にiPhone 3GS、
2010年にiPhone 4、
2011年にiPhone 4S、
2012年にiPhone 5、
2013年にiPhone 5sとiPhone 5c、
2014年にiPhone 6とiPhone 6 Plus、
2015年にiPhone 6sとiPhone 6s Plus、
2016年にiPhone SE, iPhone 7, iPhone 7 Plus、
2017年にiPhone 8, iPhone 8 Plus, iPhone X
2018年にiPhone XS, iPhone XS Max, iPhone XR
が発売されました。

VoiceOver機能が搭載されたのは2009年のiPhone 3GSからです。



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■付録1-2 iPodとiPhoneの関係


音楽プレイヤーとして有名なiPodは2001年に登場しました。アップルはiPodに携帯電話の機能を組み込んだ製品を開発し、それがiPhoneとなって世に出てきたわけです。
世界的に大人気となったiPodは、元々は視覚障害者には使いにくいものでした。そしてiTunesというパソコン上で音楽を管理したりiPodに曲を転送するソフトウェアは、スクリーンリーダー環境では使いにくいものでした。

2008年に次のようなニュースが報道されました。
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米視覚障害者連合(National Federation of the Blind)と米マサチューセッツ州のマーサ・コークリー検事総長は9月26日、米AppleとiTunesのアクセシビリティを向上させることで合意したと発表した。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0809/30/news022.html
----------
同年秋に発売されたiPod nanoからVoiceOver機能が搭載されるようになったのです。そしてiTunesのソフトウェアも改良されて、スクリーンリーダーで使いやすくなりました。

2009年の春にはiPod shuffleでVoiceOverが利用できるようになり、ディスプレイのないshuffleでは楽曲名を読み上げてくれるこの機能が一般ユーザーにも役に立つとアピールされました。

同じく2009年に登場したiPhone 3GSとiPod touchにもVoiceOver機能が搭載されました。
2010年の初代iPadからも利用できるようになっています。

アップルでは音声読み上げ機能をVoiceOverと総称していますが、iPod nanoとiPod shuffleでは音楽再生操作や曲名などを読み上げることに特化しています。

アクセサリー的な位置づけのApple TVやApple WatchにもVoiceOverは搭載されています。



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■付録1-3 VoiceOver機能の特徴


「VoiceOver」(ボイスオーバー)とはアクセシビリティ機能の一つになりますが、画面の文字や入力した文字を読み上げてくれる、いわゆるスクリーンリーダーです。この機能をオンにすることで画面の見えない視覚障害ユーザーはiPhoneやiPadなどのデバイスを使用できるようになります。

このVoiceOver機能は、買ってきたばかりの状態からオンにすることができます。また、パソコンとUSBケーブルで接続し、iTunesというソフトと同期させて設定することでもオンにできます。
どちらの方法も画面を見えないユーザーが独力で音声読み上げ機能を開始させることができるので、これは大きな特徴だと言えます。

ちなみにその他のアップル製品でも買ってきてすぐに音声読み上げをオンにすることができます。
Apple Watchでは、デジタルクラウンの3回クリック
Apple TVでは、リモコンのメニューボタンの3回クリック


iPhoneはタッチパネルを指で触れて操作しますが、VoiceOverをオンにした状態だと指の使い方は標準の方法と異なります。画面にタッチした瞬間に何らかのアクションが起きてしまうと困るので、指による操作法が工夫されているわけです。
1本の指を画面にタッチしてみると指の下の項目を読み上げてくれます。そのまま指を滑らせていくと項目の上を通るたびに名前を読み上げてくれます。実行したいと思えばその場所で1本の指をトン・トンと2回叩けばアクションが起きるようになっています。

また、画面には四角い枠が表示されるのですが、これをVoiceOverカーソルと呼び、読み上げている個所を視覚的に確認できるようになります。

もう一つの特徴は、外付けのキーボードを接続することで画面を指で触れなくても操作するためのコマンドが利用できるようになります。



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■付録1-4 VoiceOverの声の特徴


VoiceOverの声はNuance Communicationsの音声エンジンが採用されています。
日本語の女性の声はKyokoと名付けられています。
VoiceOverを使用していない人に「この声の名前は何だと思いますか?」と尋ねてみると、たいていは「Siriでしょう」と返ってきます。
音声アシスタントであるSiriが登場したのはiPhone 4Sからなので、VoiceOverの声はそれより以前からiOSの中に入っていました。

最初のSiriの声はVoiceOverの声と同じでした。
2014年3月にリリースされたiOS 7.1からは、Siriの声はVoiceOver音声とは別になりました。
2015年10月にリリースされたiOS 9からは、Siriの声がVoiceOverの読み上げ音声として選べるようになりました。

読み上げ速度の変更や、ピッチの調整をすることもできます。
すぐに外国語の音声に切り替えて読み上げさせることができるのも特徴です。

弱点としては、読み上げ辞書が不十分なためなのか、間違えた読みや意味不明な読みをするケースがあります。iOS 9までは読み辞書の編集はできませんでした。



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■付録1-5 iPhone, iPod touch, iPadの違い


これら三つの製品は同じiOSで動作しています。そのためiPhoneにインストールできるアプリの多くはiPod touchやiPadでも利用できます。VoiceOverのジェスチャーもほぼ共通です。

iPhoneにあってその他二つの製品にない機能としては、
・電話
・GPS
・バイブレーション
・LEDフラッシュ
などです。

セルラーモデルのiPadにはGPSが搭載されています。
LEDフラッシュについては、
2013年に発売された第5世代のiPod Touch、2016年3月に発売となったiPad Pro 9.7インチのモデルから搭載されています。

iPhoneでいろんなアプリを使ってみたいものの毎月の料金が気になる人や、携帯電話はこ
れまでのテンキー付きでないと不安だという人には、iPod touchがよい選択肢だと思われます。
Wi-Fi(無線LAN)接続してインターネットにつながる環境があれば、iPhoneで利用できるラジオ関係のアプリやSkypeなどのアプリを利用することができます。

大画面で写真や書籍を閲覧したい人にはiPadがよい選択肢になるでしょう。
通信方式の違いで二つのモデルがあり、Wi-FiモデルはiPod touchと同じく無線LANの環境があればインターネットにつながります。
もう一つのセルラーモデルは外出先でもデータ通信ができます。

同じアプリであっても、iPadではそのレイアウトが異なる場合があります。
ボタンの配置や表示方法が違うことがあります。

2018念現在、iPhoneもiPadも画面サイズの違う複数のモデルが存在しています。



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■付録1-6 どんなアプリが利用できるか


標準でインストールされているアプリはVoiceOverで使用できるものが多いです。時計、カメラ、ボイスメモ、メールなど。

またApp Storeからダウンロードしてインストールすることができますが、有名なものとしてはラジオを聴くための「radiko」や「らじるらじる」、「Skype」、「YouTube」などが利用できています。

様々なアプリが存在しますが、視覚障害者の生活に役立つアプリも見つけることができます。光チェッカーや紙幣の識別、色認識、デイジー図書プレーヤーなど。

インストールできるアプリは数多く存在し、無料のものから有料のものまで金額も様々です。VoiceOverで操作できるかどうかは実際に試してみないとわからないというのが現状です。アプリをリリースしている会社や個人によっては、説明ページにVoiceOver対応かどうかを記載してくれている場合もあります。

アプリをダウンロードする準備としてApple IDを作成することが必要です。App Storeにサインインすれば、アプリの検索やインストールができるようになります。

Apple IDを作成するには、iPhoneから、iTunesソフトウェアから、ウェブページからアクセスする方法があります。

ウェブページでの作成には画像認証を要求されます。画像が見えにくいユーザーのためには、その代替手段として、文字や数字を音声で再生してくれる認証方法が用意されています。

ウェブページのアドレスは、
Apple - My Apple ID
https://appleid.apple.com/cgi-bin/WebObjects/MyAppleId.woa/

有料アプリを購入するためには支払い方法を登録する必要があります。
App Store & iTunes ギフトカード、キャリア決済、クレジットカード払いなどの選択肢があります。
App Store & iTunes ギフトカードのシリアル番号は、iPhoneのカメラ機能により簡単に読み取ることができます。



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■付録1-7 今後への期待と可能性


iPhoneはメインストリームのデバイスということもあり様々な周辺機器が販売されています。キーボード、スピーカー、ワンセグチューナー、ガイガーカウンター、スキャナー、温度計、体重計など。それら周辺機器をコントロールするアプリがVoiceOverで使えれば、特別な支援機器の代替になりうるかもしれません。

コミュニケーションの手段を広げてくれるデバイスとしても活用できます。
耳の不自由な相手には音声入力を利用して文字を変換すれば、素早く言葉を伝えることができるでしょう。
発声困難な相手に文字入力をしてもらい、VoiceOverで読み上げさせたり、トーキングエイドのようなアプリを用いて読み上げさせてもらうこともできます。
外国語でやり取りする時には、Google翻訳などのアプリを使うことで簡単な文章を翻訳してネイティブの音声で読み上げさせることができます。
Facetime(テレビ電話機能)やSkypeのビデオ通話を利用すれば、手元の書類や外出先の風景を見えている相手から教えてもらうことができるでしょう。

VoiceOverで読み上げられている内容は、対応の点字ディスプレイに文字を出力させ ることができます。6点キーボードが付いている端末であれば、VoiceOverの操作や文字入力もできます。これにより、これから普及するだろうと予想される電子書籍を読んだり、点字による学習環境の幅を広げていってくれることでしょう。
また、視覚と聴覚の障害を併せ持つ盲聾者にとって、重要なコミュニケーションツールとなりうる可能性を秘めています。
残念ながら、現時点では日本語点字の表示は不完全で、日本語の文字入力においてもまだまだ実用レベルではありません。

VoiceOverはiOSのメジャーアップグレードの度に、新しい機能が追加されて進化してきています。ハードとソフトをアップルという一つの会社が開発することによって、アクセシビリティ技術も同時進行で改良され続けていると言えるでしょう。アップル社がこの路線を変更しない限りは、VoiceOverの成長が期待できます。



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■付録1-8 VoiceOver操作によるiPhoneの使い方はどこで学ぶことができるか


現時点では個人が情報を入手して、練習を積み重ねていかなければならないという状況です。購入時の設定は販売店のスタッフに頼めば引き受けてもらえると思われます。
またアップルではAppleCareという電話窓口を設けていたり、Apple Storeに出向くことができれば、対面で操作を解説してくれるジーニアスバーというサービスを用意しています。

欧米ではVoiceOverで操作できるアプリの情報交換や使い方などのQ&Aが、ネット上で活発にやり取りされています。また、実演した内容をpodcast番組で配信しているグループもいくつか存在します。最近ではアメリカの視覚障害者関連のリハセンターが、学生を対象にしたiOSデバイスのトレーニングキャンプを開催する動きにもなっています。

iPhoneやiPadはアップルがハードとソフトを開発し販売している製品です。そのため毎年新しいモデルが登場するものの、種類としては多くありません。そのことは視覚障害者が機種の選択に迷わず導入しやすい、そして指導する側も説明しやすい製品になっていると思われます。

スマートフォンやタブレットなどの端末は、OSの種類によりいくつかのカテゴリーに分類することができます。その一つにGoogleが開発したAndroid OSがあります。Android OSは多くのメーカーが採用し、多種多様な製品が発売されています。選択肢が多いのはユーザーにとって魅力的なことですが、サポートする側としては検証作業がたいへんになるかもしれません。その点ではハードの種類の少ないiPhoneやiPadは比較的サポートしやすい製品だと言えるでしょう。

また、特別支援機器と違い、世間的にメジャーなiPhoneやiPadにおいては、それを操作解説してくれる人は周りにたくさん存在しています。もし設定や文字入力などに困ったら、VoiceOverをオフにして標準操作モードにしてやることで、家族や同僚、たまたますれ違った人たちがサポーターになってくれるかもしれません。



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■■付録2 VoiceOver操作について参考になるサイト


以下のサイトが情報源として参考になります。

アップル - サポート - マニュアル
-- iPhone, iPod touch, iPadのpdfマニュアルのダウンロードができるページです。
http://support.apple.com/ja_JP/manuals/

Apple Accessibility (Aa) 案内ページ
-- アップル製品のアクセシビリティについて情報交換しているメーリングリストです。iPhoneだけでなくMacの情報もやり取りされています。
http://ml.nvsupport.org/mailman/listinfo/aa

指導者用マニュアル「iPhone,iPod,iPadの音声利用者指導用マニュアル」
-- 広島大学の氏間和仁(うじま かずひと)さんは全国各地で視覚障害者向けiPadの活用セミナーを開催されておられます。
その氏間研究室の学生である河野友架(かわの ゆか)さんが作成した指導者用マニュアルが公開されています。
http://home.hiroshima-u.ac.jp/ujima/epub/index.html

A-apps[えー・あっぷす] 視覚障害者による視覚障害者のためのアクセシブルなモバイルアプリケーションのレビューサイト
-- 音声読み上げ操作で使えるアプリの一覧を見ることができます。ユーザがアプリを登録したり紹介したりできるようになっている情報交換サイトです。
https://www.j-archives.net/aapps/

VoiceOver環境でのジェスチャー、キーボードショートカット、点字デバイスからのコマンドの一覧表
-- 筆者がまとめているページです。
ジェスチャーの一覧だけを知りたい時に役立ててください。
http://voicei-gestures.seesaa.net/article/441458554.html

VoiceOver(ボイスオーバー)を使用した全盲者でも使えるスマートフォンの簡易マニュアル
制作: 特定非営利活動法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク(SPAN)
-- iOS 7をベースにしています。
http://www.span.jp/iOS_manual/top.html

ShinのPage
-- インターネットラジオやYouTubeを利用して、アクセシビリティ関連の話題やスマートフォンの情報を不定期に配信されておられます。アーカイブを視聴することもできます。
らくらくホンやAndroidスマートフォン、バーコードトーカーの話題なども。
http://shin-matsuda.com/

VoiceOver解説iOS7用-1基本
-- 青空文庫を読むためのアプリ「豊平文庫」の開発者のページです。アプリ開発者の視点で分かりやすく解説されています。
http://kaigian.co.jp/taka/vo/index.html

AppleVis (英語)
-- アメリカで立ち上げられたサイトで、VoiceOverで使用できるアプリをまとめています。情報交換も積極的に行われており、アプリの実演をpodcastで配信しています。
http://applevis.com/

National Braille Press
-- アメリカの点字出版所。視覚障害者向けにiPhoneやiPadの関連書籍も販売しています。点字だけではなく、ワードやテキストのデータでも購入できます。
http://www.nbp.org/

iOS Access for All
-- アクセシビリティ関連の分野で活躍する記者がまとめたiOS VoiceOverの電子書籍が販売されています。
http://www.iosaccessbook.com



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■■あとがき


気付くと身の回りにはタッチパネル操作の製品であふれていますが、それらは画面が見えていないと使いづらい存在です。
電子レンジの操作パネルや居酒屋での注文システムなど、視覚障害者にとってはとても強固なバリアとなっています。

なんとかそれらの最新機器を使おうと穴を開けたシートをタッチパネルの上に置いたり、ボタンの位置にシールを貼りつけたりなどの工夫も試みられました。喜ばしいことに最近では銀行のATMや鉄道の券売機などテンキー操作と音声ガイドを利用して使えるものが増えてきています。しかし、それらは代替手段が用意されたのであって、あくまでもタッチパネルは縁遠い存在なのです。

もちろんiPhoneもタッチパネルで操作するわけですから使えない製品の一つだと、私は思い込んでいました。しかし、本体に組み込まれているVoiceOverという音声読み上げ機能をオンにすれば画面が見えていなくてもタッチパネルの上を触ることで使えるようになるではないですか!これまで山のように高かったハードルがかなり低くなった印象をあたえてくれました。タッチパネルに対する先入観をガラリと変えてくれたのです。

iPhoneはこれまでの携帯電話と違ってオモチャみたいなものだと表現する人がいますが、たしかにそうかもしれません。様々なアプリを使っていくことで生活を楽しくしてくれる製品、いつもメディアで注目されている最新の機器。まさにオモチャのようにワクワクさせてくれるアイテムです。

まだまだiPhoneやiPadを使えない存在だと思い込んでいる視覚障害者は多いようです。また、音声読み上げ機能があることは知っていても使いこなす自信のない人たちも多いかもしれません。
しかし、少しの好奇心とオモチャを扱うような遊び心があれば十分に普段のお伴になりうるでしょう。


ウェブページを制作している人たちには、そのページがスクリーンリーダーで読み上げされるものなのかどうか、その確認の手段としてもVoiceOverは活用していただけます。


一般的にアクセシビリティ機能はマイノリティの人たち向けの支援技術だと考えられているかもしれません。しかし、普段はアクセシビリティ機能を必要としない人たちでも使い方や場面によってはとても有効に活用できる機能ではないでしょうか。
この便利な機能はぜひ多くの人たちに知ってほしいものです。


実際にアップルはiPod shuffleにおいてVoiceOverを一般の人向け、マジョリティの人向けの機能だと位置づけています。
このようなアップルの姿勢はアクセシビリティ機能を宝の持ち腐れに終わらせない、そして市場においてアピールできるだけの価値があるものという考えの現れでしょう。
iOSがアップグレードする度にVoiceOverの機能も改良されています。
視覚障害ユーザーのフィードバックが採用されて、またユーザー自身が開発にも参加しているようです。

もし不具合や改善要望を伝えたい時には、継ぎのウェブサイトから送信できます。
Apple-iPhone-フィードバック
http://www.apple.com/jp/feedback/iphone.html

英語でアップルのアクセシビリティチームにメールすることもできます。
"Apple Accessibility" accessibility@apple.com


これからもアップルのアクセシビリティに対する取り組みが継続されることを願います。
そして、他のメーカーにおいてもそのような姿勢が反映されていくことを心待ちにしています。



この説明書の中で変更した方がよいと思われる表現や内容などあれば執筆者にお気軽にご連絡ください。

この文章ファイルの著作権は製作者が有しますが、営利目的以外の利用についてはご自由にお使いください。
勉強会などの参考資料として役立てていただけると幸いです。

今後、VoiceOverで操作しやすいアプリや、機能の不具合とその対処法などの情報は執筆者のブログで随時紹介しようと考えています。


Voice of i -- 見えなくても使えるiPhone(ケートウェイ)
http://voicei.seesaa.net/


執筆者:
品川 博之
Email:
voice-of-i@outlook.jp
Twitter:
@voice_of_i https://twitter.com/voice_of_i

製作完了日
2019年1月17日



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